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「円安恐怖」にうめく日本…45年間「10円」維持した国民的菓子も値上げへ

登録:2022-04-20 20:35 修正:2022-04-21 00:31
20日、円・ドル為替レート129円台 
14取引日連続で下降線 
企業・家計は負担増に苦痛訴え 
解決策が見つからない
東京のある証券会社の電光掲示板。20日、東京外国為替市場で円ドル為替レートが129円台を記録し、2002年5月以後20年ぶりに日本円の価値が最低水準を記録した=東京/AFP・聯合ニュース

 日本円の価値がまた下落した。20日、東京外国為替市場で円相場は1ドル129円台を記録し、2002年5月以後20年ぶりに最低水準を記録した。ここ14取引日連続で下降線をたどっており、速度もはやい。日本の心理的マジノ線だった「黒田ライン」(ドル当り125円)もすでに崩れた。日本は「円安恐怖」でうめいている。

 日本の代表的な「円安論者」の黒田東彦・日本銀行総裁は18日、衆議院決算行政監視委員会で現在の状況について「急速な円安は(日本経済にとって)マイナス」と述べた。鈴木俊一財務相も同日「今の円安は悪い円安と言えるのではないか」と強調した。財務省と日本銀行の首長が、円安が日本経済に良くないこととして牽制するなど口頭介入に出たが、大きな効果は期待できない。

 急速な円安によって企業と家計は苦痛を訴えている。円安が輸出を増やし日本経済全般に肯定的な影響を与えた既存のルートは、製造業の工場海外移転などで効果が大幅に減った。この日発表された3月の貿易収支は4124億円の赤字で、8カ月連続で赤字の流れを継続している。一方、2年を超えて続く新型コロナパンデミック、ウクライナ戦争に円安まで重なり、原材料などの輸入物価が急騰し、企業の負担は大きくなった。

 日本の3月の企業物価指数は、前年同月比で9.5%上昇し、オイルショックの余波があった1980年12月(10.4%)以後最も高い水準を示した。包装材・物流費用など744品目のうち70%に当たる526品目の価格が上がった。ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正会長は14日、決算発表の席で「日本は世界中から原材料を買いいれ、加工して付加価値をつけて売るという業務をやっている」として「円安のメリットは全くない」と言い切った。

 家計に直接影響を与える食品などを中心に消費者物価も上がっている。信用調査会社の帝国データバンクの資料によれば、今月14日基準で105社の企業がラーメン・食用油・飲料水など4081品目の価格を上げたと集計された。45年間にわたって10円を維持してきた日本の国民的菓子「うまい棒」も、今月から12円に価格を引き上げた。賃金の引き上げが鈍い中で物価が上がっており、消費の萎縮に対する憂慮も出ている。

 問題は、円安を解決する方案が見当たらない点だ。米国はインフレに対抗して金利を上げ続ける予定だが、日本は「ゼロ金利」水準を維持する方針だ。日本経済に対する信頼が下落する中で、米国と日本の金利差が拡大すれば、日本円の価値下落を止めることはできない。日本のある銀行関係者は日本経済新聞に、為替レートのために金利を引き上げるといっても、米国の水準に合わせなければほとんど効果がないとし、逆に金利を上げれば国家財政に相当な打撃を与えるだけで円安が止まらない怖れもあると話した。「国の借金」が多い日本政府の国債残額は、昨年末基準で1千兆円を超えており、金利が上がれば元利金返済負担が大きくなる。円安が続けば、日本政府が「劇薬処方」の一つとして24年ぶりに「円買い・ドル売り」介入に出るとの観測も出ている。

 在任期間中に「アベノミクス」という大々的な量的緩和政策を繰り広げた安倍晋三元首相に対する批判の声も大きい。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、東京新聞のインタビューで「円安はアベノミクスの副作用」として「日銀は賃金上昇を伴う物価上昇を目指して強力な金融緩和をしてきたが、トリクルダウン(落水効果)は起きず、ずるずると緩和を続けざるを得なくなった」と指摘した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1039686.html韓国語原文入力:2022-04-20 15:08
訳J.S

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