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ロシア、一日200回の出撃でもウクライナの制空権掌握に失敗

登録:2022-03-24 06:26 修正:2022-03-24 07:00
一日の出撃回数、「ロシア200回」対「ウクライナ5~10回」 
ウクライナ「ロシアの戦闘機97機を撃墜…」 
「我々が統制する防空網なので有利」
ウクライナ空軍のスホイ-27戦闘機//ハンギョレ新聞社

 ロシアがウクライナ侵攻を開始してから1カ月になっても停滞状態に留まっている理由の一つは、ウクライナ領空の掌握の失敗だ。ニューヨーク・タイムズは22日、ウクライナを圧倒する空軍力を持つロシアが大きな力を使えない理由は、まさにウクライナの空で戦うという点のためだと指摘した。

 米国や英国などの西側の軍当局は、ウクライナ戦争の状況に関する記者会見のたびに「ウクライナは、効果的に空中での防御を成し遂げている」と説明する。ウクライナが制空権を維持しており、地上のウクライナ兵力を保護し、民間人施設などに対するロシアの空襲を最小化しているという話だ。

 ウクライナを侵攻しているロシアは、毎日200回戦闘機を出撃させている一方、ウクライナは5~10回出撃させていると、米国防省の官僚は述べた。にもかかわらず、ウクライナ政府はこれまでに97機のロシアの戦闘機を撃墜したと明らかにしている。

 ニューヨーク・タイムズは、ウクライナが持つ優位はただ一つ、ロシアの戦闘機が、ウクライナ軍が統制し敵機を撃ち落とすことができるウクライナの領空を飛行するという点だと指摘した。

 ウクライナ空軍のユーリ・イーナット報道官は「我々の領土で作戦を行っているので、ウクライナは空中で効果的に対応してきた」と述べた。彼は「我々の領空に飛んでくる敵軍は、我々の防空システムの中に入ってくることになる」とし、その戦略を「ロシアの戦闘機をウクライナの防空システムの“罠”に誘い込むもの」だと表現した。

 ウクライナ上空では、現代戦では珍しい、映画「トップガン」に出てくる戦闘機同士の空対空の対決が繰り広げられている。ロシアは新型のスホイ-34(Su-34)の機体やスホイ-35(Su-35)の機体を、ウクライナはスホイ-27(Su-27)の機体を用いている。ウクライナの戦闘機パイロットのアンドリ氏は、敵の戦闘機がミサイルを撃ってきた場合、急上昇や急下降などの回避機動をとり、敵のミサイルの燃料を減少させると語った。

 ウクライナ国民も空中戦を支援している。ボランティアのネットワークは、ロシアの戦闘機を観察し、その座標と速度、高度を共有している。民間人パイロットたちは、自分たちの飛行機から最新のナビゲーション装置を取り外し、ウクライナ空軍に提供したりもした。

 しかし、ウクライナ空軍の疲労度も高まっている。米軍のある官僚は、ウクライナの戦闘機は攻撃を受けたり故障などによって数が減り、現在は56機を運用していると述べた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が最近、米国などの西側に防空兵器を要請し、さらに、ウクライナ領空を「飛行禁止区域」に設定するよう訴えているのもそのためだ。ポーランドは、自国のミグ-29戦闘機を米国を通じてウクライナに提供することを明らかにしたが、米国は、ロシアとの直接衝突の可能性を懸念し、これを拒否した。米国は代わりに、ウクライナに地対空ミサイルシステムのSA-8など、旧ソ連が製造した兵器をウクライナに供給していると、ウォール・ストリート・ジャーナルが21日、匿名の米国の官僚の話を引用して報道した。

ファン・ジュンボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1035914.html韓国語原文入力:2022-03-23 16:50
訳M.S

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