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日本政府、佐渡金山の世界遺産登録申請見送りへ

登録:2022-01-21 06:09 修正:2022-01-21 07:21
日本メディア「韓国の反対で世界遺産登録の見通し立たず」 
「軍艦島」の歴史歪曲、「慰安婦」資料登録への反対がブーメランに 
申請見送りが確定すれば国内の反発も予想される
新潟県の佐渡金山の象徴とされる「道遊の割戸」。金脈を掘り進むうちに山がV字に割れたような姿になっている=佐渡市のホームページ寄り//ハンギョレ新聞社

 日本政府は、朝鮮人の強制動員が大規模に行われた新潟県の「佐渡島の金山」(佐渡金山)のユネスコ世界遺産登録申請を見送るものとみられる。

 読売新聞は20日付で「韓国の反発などで、2023年のユネスコ世界遺産委員会で登録される見通しが立たないと判断した」とし、「24年以降の登録を目指す方針」だと、複数の日本政府関係者を引用して報じた。民営放送のJNNも同日、「韓国政府が戦時中に朝鮮半島出身者が過酷な労働を強いられたなどと反発を強めている」とし、「登録を実現するには環境整備や日本側の準備作業が足りないなどと判断。…政府は今年度の推薦は見送り、将来の登録実現に向けて戦略を練り直す方向で最終調整を進めている」と報道した。木原誠二官房副長官はこの日の定例記者会見で、報道内容については言及を控え、「登録を実現することが何より重要だ。このため、何が効果的なのか検討している」という立場を表明するのにとどまった。日本政府は来週、最終的な立場を決める。

 今回の事態は日本政府が自ら招いたと言える。日本の要求で、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の登録を推進する際、加盟国が異議を申し立てた場合、審査を中止し、期限を決めず当事国間で話し合いを続けられる制度が昨年設けられた。日本は2015年10月、「南京大虐殺」関連記録が「世界の記憶」に登録されたことに大きく反発した。2016年には韓国などが日本軍「慰安婦」記録物について登録申請を行ったことを受け、ユネスコに拠出金の支払いを見送るなど「全面的圧力」をかけることで、ユネスコが新制度を導入するよう働きかけた。読売新聞は「今回は日本が逆の立場になり、韓国が反発する中、(佐渡金山を)推薦すれば国際社会の信用を失いかねない」という外務省内部の判断も働いたと報じた。

世界遺産登録が推進されている三菱鉱業の佐渡鉱山//ハンギョレ新聞社

 2015年に「端島」(軍艦島)が含まれた「日本明治産業革命遺産」を世界文化遺産に登録する際、朝鮮人強制動員など遺産に関する「歴史全体」を伝えるという約束を守らず、ユネスコの警告を受けたことも負担になった。日本政府は今年12月1日までに履行報告書を提出しなければならないが、佐渡金山を推薦した場合、ユネスコで軍艦島とともに歴史歪曲をめぐる論議に巻き込まれる恐れがある。佐渡金山では1939年2月から約1200人の朝鮮人強制動員が行われたというのが具体的な資料で立証されている。NHKによると、外務省幹部は昨年11月に非公開で行われた会議で、「(日本による植民地時代を除いて時期を)江戸時代に絞ったとしても(強制動員をめぐる議論を)避けて通ることはできない」と述べたという。

 佐渡金山の世界遺産登録申請が見送られた場合、日本国内での反発も予想される。安倍晋三元首相は同日の派閥会合で「論戦を避ける形で登録を申請しないというのは間違っている」と述べた。自民党の保守・右翼係議員で構成された「保守団結の会」は18日に会議を開き、佐渡金山を世界遺産に推薦することを求める決議をまとめ、外務省と文化庁に提出した。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1028153.html韓国語原文入力: 2022-01-21 02:33
訳H.J

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