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中国「終戦宣言支持」…4者会談実現なるか

登録:2021-12-04 08:32 修正:2021-12-04 09:27
大統領府「楊政治局員が天津での会談で発言」 
原則的な発言…中国の参加には過程が残る
大統領府のソ・フン国家安保室長(左側)と中国の楊潔チ外交担当政治局員が2日、中国天津のホテルで会談前に記念写真を撮っている=天津/共同取材団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進している朝鮮戦争の終戦宣言について、中国側が明確な支持の意向を表明した。韓米間だけで進められてきた議論に中国が参加する姿勢が加わり、終戦宣言のための南北米中による4者会談が実現するかに関心が集まっている。

 3日の大統領府の発表内容を総合すると、ソ・フン国家安保室長は2日午後、中国天津で楊潔チ外交担当政治局員と晩餐を兼ねて5時間35分ほど行われた会談で、終戦宣言を含めた朝鮮半島平和プロセスの進展のための韓国政府の努力を説明した。

 それに対し楊政治局員は「韓国政府の終戦宣言の推進を支持する」とし、「終戦宣言は朝鮮半島の平和と安全を増進させるのに貢献するものと考える」と述べた。これまで中国側は、朝鮮戦争の停戦協定の署名当事国として終戦宣言に参加するという意向を何回も表明している。

 大統領府側は、ソ室長と楊政治局員が「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の定着のために、北朝鮮との対話と外交努力が重要であるという点に共感し、そのために両国が戦略的な意思疎通と協力を一段と強化していくことにした」とも明らかにした。特に楊政治局員は、「南北関係強化のための韓国政府の努力を一貫して支持する」とし、「朝鮮半島の平和と安全のために、中国側も努力を続けていく」と述べた。

 政府高官は、「終戦宣言には、過去68年間続いてきた『技術的な規定が明確ではない状況』を整理する本質的な側面があり、終戦宣言の議論を通じて北朝鮮との対話を再開できるモメンタム(動力)を作っていこうという趣旨など、二つの意味がある」とし、「会談で終戦宣言の議論の有用性の側面について説明し、それについて楊政治局員が共感し、支持の意向を明らかにした」と伝えた。

 楊政治局員は終戦宣言に対する「支持」の意向を表明したが、中国が関連の議論に「参加」するまでに経なければならない過程は残っているものとみられる。実際、今回の会談で楊政治局員は、「終戦宣言の議論において、中国が建設的な役割を果たす用意がある」と明らかにしたが、具体的にどのような役割を果たすのかについては明確な言及がない「原則的な水準」であったと伝えられた。

 政府高官は「これまでの過程と趣旨を説明しただけであり、我々の側も終戦宣言について、中国に具体的な要請をしたものはない」と明らかにした。韓米間で協議中の終戦宣言の草案については、「今は(中国側と)草案まで論議する段階ではない」と述べた。同高官は終戦宣言の議論の進展を前提に、来年2月の北京冬季五輪前後の文在寅大統領の訪中の可能性についても、「その問題を論議する状況には至れなかった」と述べた。まだ道のりは長いという意味だ。

 朝中間でも、終戦宣言については、現時点では具体的な議論は進められていないものとみられる。今回の会談に先立ち、劉勁松・中国外交部アジア司長(アジア担当局長)が先月30日に駐中北朝鮮大使館のチョン・ヒョヌ公使に会った事実が公開され、朝中双方が終戦宣言に関する議論を行ったのではないかという観測が出たことがある。しかし、当時の会談では、朝中両国間の懸案についての議論だけがなされ、終戦宣言に関する言及はなかったことが分かった。

 北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「終戦宣言の推進について、韓米間の調整がほとんど最終段階に入り、北朝鮮に提案する前に中国を訪問し、中国の支持と協調を求めたもの」だとし、「特に、12月下旬に行われる労働党全員会議が開会する前に、韓国‐中国間で支持と協調の姿を示せたのは、北朝鮮に送るメッセージになるだろう」と分析した。北朝鮮は近年、年末年初に労働党会議を開き、対外政策などの主要な政策を調整・決定してきたため、それを控えて韓中が発信したメッセージは肯定的なものだという評価だ。実際、政府側からは、終戦宣言をめぐる韓米間の調整はほぼ終わって意見の相違がない状態であり、北朝鮮に提案する時期と方法を含め提案後の動きまで協議中だと伝えられている。何より、北朝鮮が終戦宣言をどう受け入れるかが決定的だという状況であるため、金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記が全員会議でどのようなメッセージを発するかなど、北朝鮮内部の政治動向にも注目している。政府当局者は「中国も終戦宣言を支持すると公開の場で発言したことは、明らかに北朝鮮にも意味のあるシグナルになるだろう」と見通した。

天津/共同取材団、チョン・インファン特派員、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1021911.html韓国語原文入力:2021-12-04 02:30
訳M.S

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