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日本、北朝鮮と中国打撃可能な「射程1000キロ巡航ミサイル」開発を表明

登録:2021-12-03 06:15 修正:2021-12-03 06:57
日本の「敵基地攻撃能力保有」に向けた動き 
日本経済新聞、防衛省の発表を引用し報道 
射程200キロメートルの地対艦誘導弾の性能を改善し 
2028年までに地上・艦艇・戦闘機による発射も可能に 
岸田首相「国家安全保障戦略」見直す意向 
インド太平洋地域で軍拡競争招く恐れも
日本の陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾=日本陸上自衛隊提供//ハンギョレ新聞社

 日本政府が射程1000キロメートル以上の巡航ミサイルを開発し、2020年代後半に実戦配備する案を進めていることが分かった。北朝鮮や中国など周辺国のミサイル基地などを日本が直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を保有するための実質的な動きに出たわけだ。

 日本経済新聞は2日、「防衛省は開発中の巡航ミサイルの射程を1000キロメートル超まで延ばす。地上配備だけでなく艦艇や戦闘機へも搭載し、2020年代後半までの配備をめざす」と報じた。防衛省が対象とするミサイルは、三菱重工業が生産している「12式地対艦誘導弾」だ。同ミサイルの射程は200キロメートルほどだが、射程を5倍長い1000キロメートル以上に伸ばす予定だ。発射するプラットフォームも多様化し、2025年には地上発射、2026年には艦船発射、2028年には戦闘機による発射も可能にする計画だ。開発費は総額1000億円ほどを見込んでいる。

 日本政府は射程1000キロメートル以上に達するミサイルを開発する理由について、インド太平洋地域で「対中抑止力を強化するため」という点を強調している。中国は日本とグアムを射程に入れた様々な中距離弾道ミサイルを増強しており、北朝鮮も日本全土を攻撃できるスカッド-ERやノドンなどの中距離ミサイルだけでなく、グアムを標的とする火星-12型まで開発している。防衛省幹部は同紙に「近隣国がミサイル開発を進める以上、日本も抑止力を高める装備が必要になる」と述べた。

 日本は防衛のためだけに武力を行使するという平和憲法の「専守防衛原則」のため、弾道ミサイルは開発・保有していない。今回の計画は、その代わり巡航ミサイルの射程を伸ばし、日本に必要な抑止力を確保するというものだ。日本が射程1000キロメートルを超えるミサイルを開発して実戦配備すれば、日本本土から北朝鮮全域を攻撃できる。またこのミサイルを米中対立の最前線である台湾周辺の「南西諸島」に配備し、中国第2都市の上海付近まで狙うことができる。文字通り、長い間望んできた敵基地攻撃能力を備えることになるのだ。

 日本がこのような判断を下したのは、米国との関係も影響を与えたものとみられる。今年4月、菅義偉元首相は米日首脳会談で、52年ぶりに台湾海峡の平和と安全に言及し、「日本は同盟および地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した」と宣言した。岸田文雄首相は米国のジョー・バイデン米大統領との首脳会談で、「日本の決意」が具体的に何かを定義するため、日本の安保戦略の大きな方向性を定める「国家安全保障戦略」の改訂方向について議論する計画だ。改定案には、当然、敵基地への攻撃能力を保有する内容が盛り込まれるものとみられる。岸田首相はこの能力を保有することについて「あらゆる選択肢を排除せず検討し、必要な防衛力を強化する」と何度も明らかにしてきた。

 日本経済新聞は「防衛省は22年末にも改定する国家安全保障戦略で保有を明記し、防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画に(巡航ミサイルなど)使用装備を書き込む案を検討している」と報じた。しかし、連立与党の公明党が否定的な立場を示しており、具体的な改正作業は来年7月の参議院選挙後に始まるものとみられる。中国が激しく反発し、インド太平洋地域ですでに始まっている軍拡競争に拍車がかかる可能性もある。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1021777.html韓国語原文入力:2021-12-03 02:30
訳H.J

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