世界保健機関(WHO)が29日、ジュネーブで特別総会を開き、新型コロナウイルス感染症に次ぐパンデミックに備えるための「パンデミック条約」について議論する。
WHOは同日、ホームページに掲載した公示で、「11月29日から12月1日まで特別総会のために集まる。今会期に加盟国らは世界的規模のパンデミックに備えるためのWHOの条約や、他の国際的な機関を作ることによるメリットについて話し合う予定だ」と明らかにした。「パンデミック条約」には今後新型コロナのようなパンデミックが発生した場合、ワクチンや治療薬の公平な分配などを明文化する内容が盛り込まれる見通しだ。
2020年初めに新型コロナによるパンデミックが発生した後、各国は入国を禁止し、ワクチン確保のための争奪戦を繰り広げるなど、この危機を乗り越えるための国際協力体制の構築に失敗した。
これに対する反省として、英国やフランス、ドイツなど欧州諸国が中心となってパンデミック条約が必要だという議論を主導しており、韓国や南アフリカ共和国、タイなどがこの構想を支持している。同条約が成立した場合、ワクチンなどの公平な分配とパンデミックに対する迅速な情報共有などの内容が含まれるものとみられる。WHOは今年5月の総会でこの問題を論議したが、法的拘束力が発生することを懸念した米国やロシア、中国などが消極的な態度を示し、今回の特別総会で議論を続けることを決めた。