本文に移動

「脱炭素・脱原発」ためらう日本に国内外から厳しい視線

登録:2021-11-17 06:48 修正:2021-11-17 07:32
COP26「石炭火力発電廃止」に合意 
韓国など46カ国と地域が支持、日本は署名せず 
再生可能エネルギーを増やしていく方針だが 
2030年も石炭に19%依存 
原発も閉鎖どころか20~22%に
今月13日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)/EPA・聯合ニュース

 「『日本は30年を超えて火力発電を進めたいんだ』と悪いイメージが付いてしまった」

 日本が13日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、「石炭火力発電の段階的廃止合意」に署名しなかったことをめぐり、こうした見方もあると、毎日新聞が15日付で報じた。韓国など46カ国と地域が支持した同案は、先進国の場合は2030年代、発展途上国を含む世界全体では2040年代までに石炭火力発電を廃止するという内容が盛り込まれた。年間の二酸化炭素排出量の約40%が石炭から出ているため、「石炭火力発電の廃止」は今回の総会の中核課題だった。ロイター通信も、1990年代には「京都議定書」で気候変動先進国と見られていた日本が、今回の総会で気候変動への対応に逆行する行動を見せているとして、署名しなかったことを批判した。

 脱炭素と脱原発という2つの難題を解決すると共に、安定的なエネルギー政策を維持することは、日本だけでなく韓国も早急に解決しなければならない課題だ。今回の総会で現実論を掲げて日本が脱炭素に二の足を踏んでいる姿は、似たような問題を抱えている韓国にも示唆するところがある。

 日本が国際社会の厳しい視線にも関わらず、石炭火力発電の廃止に署名できなかったのは、30年以降も石炭火力発電を主要エネルギー源として維持する方針だからだ。日本政府が先月22日に決定した第6次エネルギー基本計画によると、2030年にも石炭火力発電が19%を占めている。現在の32%からは低い数値だが、依然として全体エネルギー源の5分の1を石炭火力発電が占めている。エネルギー政策を担当する経済産業省幹部は「石炭火力発電19%」について「これ以上の譲歩はあり得ない」と述べるなど、事実上の「マジノ線」だと強調した。電力の安定的な供給のため、ある程度石炭発電に頼らざるを得ないという意味だ。日本政府関係者もロイター通信に「単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要」だとしたうえで、「このため日本は声明に賛同していない」と述べた。

 「石炭火力発電の廃止」の代わりに新しい技術を活用し、二酸化炭素を排出しないという岸田文雄首相の主張は、むしろ論争の的になった。岸田首相は2日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議の演説で「アジア各国が化石燃料をアンモニア、水素など『ゼロエミッション』(温室効果ガス排出ゼロ)火力発電に切り替えられるよう支援する」とし、今後5年間、最大1兆1000億円を寄付すると述べた。しかし世界環境団体で構成された「気候行動ネットワーク(CAN)」は、岸田首相が言った新しい技術がまだ不安定で費用が高く、水素やアンモニアを製造するのに天然ガス・褐炭などが活用され、環境にやさしい事業とは言えないと批判した。

 日本政府も時代の流れに合わせて太陽光や風力など再生エネルギーを大幅に拡大する方針を掲げてきた。現在の18%から2030年には36~38%まで2倍程度増やす計画だ。ただし、太陽光や風力の場合、大規模な発電施設を建てられる場所が足りないという指摘もある。また、太陽光は夜間に発電できず、風力などは天候の影響を多く受けるため不安定な側面がある。

 こうした理由で日本政府が選択したのは原発だ。2011年の福島第一原発事故以降掲げてきた「脱原発政策」を覆し、原発を再稼働している。現在の電力生産で6%を占める原発を2030年には20~22%まで引き上げる予定だ。「新増設」や「再建築」は盛り込んでいないが、「必要な規模を持続的に活用する」として、その可能性を残している。2030年の目標値に合わせるためには、停止していた従来の原発をほぼすべて稼動しない限り、不可能な数値だという分析もある。世論の反発も強く、原発の再稼働も容易ではない状況だ。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1019540.html韓国語原文入力:2021-11-17 02:34
訳H.J

関連記事