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衆院選勝利で力を得た岸田首相…韓日関係には言及なし

登録:2021-11-02 06:08 修正:2021-11-02 07:30
議席数は減ったが、単独で過半数を確保 
総裁として党内の立場が強くなる見込み 
分配重視の経済政策も本格的に推進
岸田文雄首相が今月1日、東京の自民党本部で先月31日に行われた衆議院選挙の結果について記者会見を行っている=東京/AFP・聯合ニュース

10月31日に行われた日本の衆議院選挙で、岸田文雄首相率いる自民党が単独過半数を超える261議席を確保した。議席数が選挙前(276席)より少し減ったが、野党単一候補と接戦が続いた選挙区で多数勝利し、単独過半数の確保は難しいかもしれないという懸念を払しょくして印象的な勝利を収めた。安定した国政運営のための基盤を整えたと評価されている。

 岸田首相は1日午後、東京自民党本部で記者会見を行い「大変厳しい選挙だったが、引き続き『自公政権』の安定した政治のもとで、そして『岸田政権』のもとで、この国の未来を作り上げていってほしいという民意が示されたことを、大変ありがたく、また、身が引き締まる思いで受け止めている」としたうえで、「国民の皆さんの信任を得た今、皆さんからいただいた一票一票の重みを胸に、今後はこのスピード感を政策実行の面で発揮していく」と述べた。

 岸田首相が最も力を入れている経済政策は、二つの方向で進められる見通しだ。コロナ禍で苦しんだ庶民に対する支援と、「新しい資本主義」というスローガンのもと、成長と分配の好循環を実現するための経済政策だ。岸田首相は「与党と連携して大型の経済対策を11月中旬に策定する」とし、「できるだけ早期に補正予算を成立させ、国民の皆さんに(支援金を)一刻も早く届ける」と強調した。非正規や子育て世帯のうち、生活に困っている人々が対象だ。岸田首相はまた「看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくため、来週にも公的価格評価検討委員会を設置する」と述べた。岸田首相は選挙過程で公約として庶民・中小企業の所得増大のための賃金引き上げ、福祉拡大など分配政策を進めていく方針を明らかにした。

 外交・安全保障関連の動きも早くなった。岸田首相は、英国グラスゴーで開かれる第26回国連気候変動枠組み条約国会議(COP26)に出席するため、2日に出国する。首相就任後、初めて行われる海外訪問だ。議長国である英国のボリス・ジョンソン首相や米国のジョー・バイデン大統領との初会談が進められている。特に、岸田首相は年内に米国を訪れ、正式に米日首脳会談を行うことを目指している。読売新聞は「中国の軍事力増強に伴う日本の防衛力強化が主要議題になるだろう」と報じた。

 岸田首相は今回の選挙で、これまで日本が維持してきた防衛政策を根本から転換する公約を大幅に盛り込んだ。日本の防衛予算を国内総生産(GDP)の2%水準(現在は0.95%)へと大幅に増やし、米中間で激しい対立が起きている台湾の有事に備え、国家安全保障戦略などを改正する内容だ。また、北朝鮮などのミサイル脅威に対応するため「敵基地攻撃能力」を本格的に確保していくものとみられる。岸田首相は「私が指示した国家安全保障戦略等の改訂については、今後国家安全保障会議で徹底的に議論を行い、ミサイル防衛力、AIなどの先端技術、宇宙・サイバーなどの新たな課題にスピード感を持って対応していく」と強調した。これと関連し、連立与党の公明党が否定的な立場であるため、いかに調整していくかが課題になりそうだ。

 関心を集める韓日関係については具体的な言及なしに「同盟国・同志国には、可能な限り早期に直接訪問し、あるいは、これら諸国の首脳を我が国に迎える」と述べるにとどまった。読売新聞は「岸田首相は中国、韓国、ロシアなどと首脳会談を開催するかどうか、時期について慎重に検討している」と報じた。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1017481.html韓国語原文入力:2021-11-01 20:19
訳H.J

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