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自民党、単独過半数確保…岸田首相「信任いただいたと受け止める」

登録:2021-11-01 10:26 修正:2021-11-01 11:34
自民、261議席を獲得 
4連続で自民単独過半数を維持 
自民党のナンバー2の甘利幹事長、小選挙区で敗北 
公明党・日本維新の会が立地拡大
日本の選挙管理委員会の関係者らが10月31日午前7時から午後8時まで実施された衆議院選挙の投票箱を開けている=東京/AFP・聯合ニュース

 先月31日に行われた日本の衆議院選挙で、岸田文夫首相の率いる自民党が、全体465議席のうち単独過半数(233議席)を上回る結果となった。自民党は単独で、国会での主導権を握れる「絶対安定多数」(261議席)の議席を獲得した。

 今回の選挙では、自民党が単独過半数を確保できるかどうかが勝負どころと評価されたが、野党と接戦の末、勝利を手にしたと言える。同局の出口調査では、自民党が212~253議席を得ると予測されるなど、先行きが不透明だった。岸田首相は同放送のインタビューで「(国民から)信任をいただいたと受け止めたい」と述べた。

 連立与党の公明党は、32人が当選した。自民・公明連立与党は「絶対安定多数」の261議席を上回った。絶対安定多数は17の国会常任委員会のすべての委員長ポストと委員の過半数を占めた状態をいう。連立与党が国会運営の主導権を確保したということだ。自民党は2012年を含め、これまで3回の衆議院選挙で単独過半数はもちろん絶対安定多数の議席を逃したことがない。ただし、自民・公明は憲法改正発議の可能な3分の2(310議席)は超えられなかった。

 岸田首相は、単独過半数を確保し選挙を勝利に導いたが、自民党のナンバー2で選挙を主導した甘利明幹事長が小選挙区で敗北し、打撃を受けるものとみられる。ただ、甘利幹事長は重複立候補した比例代表では当選し、議員職を維持するものとみられるとNHKが報じた。甘利幹事長は、岸田首相を自民党総裁に当選させるのに大きく貢献した人物だ。しかし、第2次安倍政権で経済再生担当相を務めた2016年に金品授受問題に関わり不名誉な退陣をしており、議論があった。東京5区でも、岸田内閣で万博担当相を務める若宮健嗣氏が、野党共闘を前面に掲げた立憲民主党候補に敗れ、小選挙区で落選した。

 自民党の議席数も選挙前の276議席からかなり減るなど、岸田首相が国民の全幅の支持を受けられなかったということで来年7月の参議院選挙まで困難も予想される。岸田政権の序盤の支持率が低迷しているのは負担な点だ。朝日新聞が先月4~5日に世論調査を実施した結果、支持率は45%で、2001年以降最も低かった。政策や人事で新たな変化を試みるより、9年間続いた「安倍路線」を継承したことが否定的な影響を与えたとものと見られる。政権は変わったが、以前と変わったものがないという認識が広まっている。総選挙で一息ついた岸田首相が、今後自分のカラーをどのように出せるのかが注目される。

 自民党の議席数が減り、連立与党の公明党との協力はさらに重要になった。自民党が総選挙公約に掲げた「敵基地攻撃能力」と防衛費を国内総生産(GDP)の2%まで増額する案に対し、公明党は否定的な立場だ。公明党の立場が過去より大きくなったため、自民党が一方的に推進することは容易ではなさそうだ。一方、今回議席数を11議席から41議席へと3倍以上増やした日本維新の会が、安保政策において自民党と路線が似ており、事案ごとの協力が行われるかどうかが関心の的となる。

 過半数以上の議席を確保することができず衆院選では敗北したものの、5野党の共闘を巡ってはさまざまな意見が出ている。野党第一党の立憲民主党は96議席を獲得した。野党共闘から抜けた日本維新の会の場合、議席が約3倍に増えるなど第3党に急浮上したことと比べると、野党共闘の成果は制限的だという評価が出ている。しかし、東京8区、神奈川13区などで自民党の大物を相手に勝利を手にしたことは、大きな成果だという指摘だ。立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社民党、れいわ新選組は、安倍-菅-岸田政権まで9年間続いた自民党独走を阻止するために、今回の289選挙区のうち75%の217選挙区で候補一本化を果たした。衆院選挙史上初めてのことだ。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1017381.html韓国語原文入力:2021-11-01 02:34
訳C.M

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