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[特派員コラム]眞子内親王の結婚が意味するもの

登録:2021-10-15 08:50 修正:2021-10-15 09:33
2017年9月、眞子内親王と小室圭氏が婚約を発表した記者会見の様子/AFP・聯合ニュース

 徳仁天皇の姪である眞子内親王(29)が同い年の交際相手である小室圭氏と今月26日に結婚する。このニュースは、最近就任した岸田文雄首相と同じくらい日本社会で大きなニュースだ。眞子内親王の結婚について、日本国民やマスコミの過度な関心に少なからず戸惑った。新婚生活をすることになるニューヨークの家賃や果物の価格まで調査し、小室氏が弁護士試験に合格しても平均年収を考えれば生活はぎりぎりだろうという身辺雑記のような報道が連日続いた。韓国にはない皇室の結婚であるせいか、理解しがたい部分が多い。

 日本の国際基督教大学の同期である二人は、5年間交際した末、2017年に婚約を発表した。祝賀ムードに水を差したのは、週刊誌に小室氏の母親の借金問題などが報道されてからだ。世論は瞬く間に「結婚反対」に転じた。議論が続き、結婚も延期された。小室氏は米国に渡り、ロースクールを卒業した後、法律事務所に就職した。4年という時間が経ったが、眞子内親王は小室氏と別れず、ついに結婚を目前にしている。世間の目は依然として冷たい。ある週刊誌の調査では、回答者の97.6%が眞子内親王の結婚に反対すると答えたという。眞子内親王も世論を意識したのか、結婚式を行わないことにし、税金で支給される「一時金」(約1億5千万円)の受け取りも辞退した。

 日本人の友人に、人々がなぜこんなに結婚に反対するのかと尋ねた。友人は、皇室は完全無欠でなけばならないのに、小室氏の家の事情がそうでないから不釣り合いだとみるのだろうと答えた。また、眞子内親王は幼い頃から世論の注目を受けてきており、不幸な目に遭うのではないかという心配も込められているとと説明した。「完全無欠な皇室」という表現が、いま生きている現実世界からとても遠いものに感じられた。一方で、眞子内親王の決断がいかに難しかったかを察することができた。徳仁天皇と弟の文仁皇太子の子女は計4人だ。皇室の「次の世代」を意味する彼らのうち、眞子内親王は最も年長者だ。皇室の重さを誰よりもよく知っている立場だが、彼女はあらゆる反対にもかかわらず自分の人生を自ら決めた。

 友人が意味深長な話をしてくれた。むしろ心配は、次の王位を継承すると思われる悠仁親王だという。世の中は急速に変化しており、15歳の悠仁親王が将来王位継承を拒否したら、日本社会はそれこそ「パニック状態」に陥るだろうということだ。皇室より自分の幸せを選んだ眞子内親王の結婚を「亀裂」と解釈していた。

 日本の皇室は他国の王室と比べてもかなり保守的だ。英国、スウェーデン、デンマークなどはずいぶん前から「第一子優先」に王位継承制度を変えた。社会で男女平等が当然の原則になったからだ。一方、日本では「男性・父系」だけが皇位を継承できる。これに固執するあまり、、雅子皇后は皇太子妃時代の2004年、世継ぎとなる男子を産めなかったことによるプレッシャーで適応障害の診断を受け、今も治療を受けている。

 日本政府と自民党は皇室問題をめぐり制度改善を論議しているが、男性・父系は維持する方針だ。日本国民の70%以上が女性・母系天皇に賛成しているにもかかわらず手をつけられないのは、自民党の支持基盤である保守勢力が反対しているからだ。彼らは女性・母系天皇が認められれば、皇室の伝統とタブーが緩和され、結局「天皇制」自体が動揺すると考えている。しかし、日本の皇室が時代の変化に背を向け続けるなら、異なる次元の危機に直面せざるを得ないだろう。眞子内親王はその始まりである可能性が高い。

キム・ソヨン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1015219.html韓国語原文入力:2021-10-15 02:34
訳C.M

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