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日本メディア「強制動員被告企業の謝罪、日本がすでに拒否」

登録:2021-11-01 05:28 修正:2021-11-01 07:20
最高裁の賠償判決3年を迎え、読売新聞が報道 
韓国政府の打診に日本側が拒否の意向を伝えた
日帝強制動員被害者のイ・チュンシクさん(左)が2019年10月、ソウル瑞草区の「民主社会のための弁護士会」(民弁)大会議室で行われた「日帝強制動員問題解決のための記者会見」で涙を流している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 日帝強制動員被害者に日本企業が賠償すべきだという韓国最高裁(大法院)の判決が出てから3年を迎えた中、「被告企業の謝罪などを解決の糸口としよう」という韓国の提案を日本がすでに拒否したという主張が提起された。

 読売新聞は10月28付で、韓日の消息筋の話を引用し「被告企業の謝罪などを解決の糸口にする案は、韓国政府がすでに水面下で日本側に打診し、日本側が拒否する意向を伝えている」と報じた。同紙は「原告弁護士によると、日本企業が和解協議に応じれば、『その間は現金化手続きを止める』という案も出ている」とし、「協議に応じさせ、(企業側の)謝罪の言葉などを引き出す思惑とみられる」とし、このように報道した。日本政府がすでにこの提案を拒否したため、「原告側が求める和解協議は実現しそうにない」と見通したのだ。

 被告企業の謝罪を糸口に、行き詰まっている強制動員問題を解決しようという動きは昨年からあった。最高裁判決からおよそ2年が経った昨年8月、強制動員被害者原告側弁護人の一人、イム・ジェソン弁護士は本紙に「日本製鉄代表取締役、まず謝ってください」と題した寄稿文を書いた。イム弁護士は同文で「100歳を控えた高齢者に対して、あなたの若き日の苦痛を忘れていませんと、心からおっしゃってください」とし、謝罪を求めた。さらに「“謝罪”だけでは判決の履行は完了しません。それでも増幅される葛藤の中で、日本製鉄の代表取締役が今すぐにできる“謝罪”という行為の後で、私たちは今までと明らかに違う関係を始められるようになるでしょう」と訴えた。

 強制動員の判決をめぐり韓日が全く接点を見出せなかったため、原告側が問題解決のために「最小限のマジノ線」を提案したのだ。イム弁護士の寄稿後、専門家たちも被告企業の謝罪を前提に、賠償に対する財源問題についてはこれから模索していこうという意見が出た。これに対して日本政府は、強制動員被害者、日本軍「慰安婦」に対する賠償・補償問題などで韓国側が先に日本が納得できる解決策を用意すべきという立場を繰り返した。これに対し、イム・ジェソン弁護士は今年10月7日付に掲載された本紙への寄稿文で、「強制動員被害者と日本企業が直に会って議論する場を設ける。その場が責任を持って実現されるなら、協議の期間中には日本企業の資産の現金化手続きを停止する」という新提案を示した。

 一方、最高裁の判決から3年を迎え、強制動員の被害者と彼らを支援する市民社会団体は28日、記者会見を開き、「判決が出てから3年が過ぎたが、何も変わっていない」と批判し、「被害者の方々が亡くなったとしても、強制動員問題は決して終わらない」と強調した。3年前の2018年10月、最高裁全員合議体はイ・チュンシクさん(97)ら強制動員被害者4人が日本製鉄(当時新日鉄住金)を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、「被害者にそれぞれ1億ウォンを賠償せよ」という判決を確定した。原告らは現在、被告企業の韓国内資産を追跡し、差し押さえや強制売却などの強制執行の手続きを進めている。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1017202.html韓国語原文入力:2021-10-29 14:47
訳H.J

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