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ファイザー、デルタ抑えるブースターショット・ワクチン開発中…3次接種要請へ

登録:2021-07-10 02:42 修正:2021-07-10 07:18
8月に3次接種の許可を米国に要請する計画 
CDCなど「現在のところブースターショットは不要 
科学が立証すればブースターショットの準備できている」
ファイザー・ビオンテックのコロナワクチン/ロイター・聯合ニュース

 米国の製薬会社ファイザーとドイツのビオンテックは8日(現地時間)、新型コロナウイルスワクチンの免疫力が弱まっているとして、米国当局に3次接種(ブースターショット)の許可を来月に要請することを明らかにした。両社はまた、デルタ株に対してより効果的なブースターショット・ワクチンを開発中であることを公開した。

 ファイザーとビオンテックは、ワクチンの2次接種から最短で6カ月後にブースターショットを実施すれば、抗体レベルが5~10倍に達することが実験で分かったとして、先のように明らかにした。両社は、このところ広がっているデルタ株に対しても、ワクチンの3次接種が似たようなレベルの効果をあげることを期待すると述べた。

 両社は、94%に達していたファイザーのワクチンの予防効果が、デルタ株の拡散以降は64%にまで落ちているという5日のイスラエル保健省の発表も、3次接種が必要な根拠として提示した。両社は「イスラエル保健省などが公開した実際の状況の複数の証拠によると、ワクチンの効果は接種後6カ月が経つと弱まる」とし「2次接種後6~12カ月以内に3次接種が必要となる可能性がある」と述べた。ファイザーはブースターショットが許可された場合に備えて、ワクチン生産の拡大を模索している。

 また両社は「(現在のワクチンを)3次接種に使用すれば、デルタを含むあらゆる変異株に対して最高水準の予防効果を維持する可能性があると信じている」としつつも、油断することなく「アップデートされたバージョン」を開発していると明らかにした。両社は、米国当局が承認すれば、8月には臨床試験を開始できると述べた。

 米国の保健当局は、現在のところはブースターショットは必要ないとしつつも、今後の可能性は残した。米国食品医薬品局(FDA)、疾病予防管理センター(CDC)、国立衛生研究所(NIH)は共同声明を発表し、その中で「完全接種を終えた米国人は、今のところブースターショットを受ける必要はない」とし「FDA、CDC、NIHはブースターショットが必要かどうか、いつ必要なのかを考慮するために、科学にもとづく徹底した過程にかかわっている」と述べた。完全接種とは、ファイザーやモデルナのワクチンの場合は、2次接種を終えて2週間が経過した状態を言う。

 これらの3機関は、検討過程には実験室の資料や臨床試験データなどが必要だとし「我々は、ブースターショットが必要だということを科学が示せば、ブースターショットに対する準備はできている」と付け加えた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1002858.html韓国語原文入力:2021-07-09 09:48
訳D.K

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