本文に移動

日本の「慰安婦」研究の第一人者「ラムザイヤー論文、でっち上げも含まれる」

登録:2021-03-15 02:27 修正:2021-03-15 07:31
日本の学界と市民団体「慰安婦=売春婦」主張のラムザイヤー批判する画像セミナー 
吉見教授「ラムザイヤー、証拠提示一つもない…学術論文として認めることは難しい」
「慰安婦」研究の日本の第一人者とされる吉見義明中央大学名誉教授(左)は「慰安婦」を売春婦と規定したハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の論文について「学術論文として認めがたい」と述べた=オンラインセミナーより//ハンギョレ新聞社

 「慰安婦」研究における日本の第一人者とされる吉見義明中央大学名誉教授は、「慰安婦」のことを売春婦と規定したハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の論文について「問題が多すぎて学術論文として認めがたい」と述べた。

 吉見教授は、日本の市民団体が運営する日本軍「慰安婦」学術サイト「ファイト・フォー・ジャスティス(Fight for Justice)」と日本史研究会、歴史学研究会、歴史科学協議会、歴史教育者協議会の4つの学術団体が14日に共同主催したオンラインセミナーに参加し、ラムザイヤー教授の論文に事細かに反論した。

 吉見教授は「ラムザイヤー論文は、日本軍や日本政府が『慰安婦』という性奴隷制度を作って維持したという重要な事実を無視している」と指摘した。業者は軍の従属者で、慰安所の料金すら決められなかったという。「慰安婦」とされた女性も契約の主体になれず、契約があったとしても事実上の「人身売買」だったという証拠と研究は非常に多いという。このような先行研究があるにもかかわらず、ラムザイヤー教授は、業者と「慰安婦」が互いの利害を主張し、契約を結んだと主張したのだ。

 吉見教授は「ラムザイヤーは論文で、自分の主張(慰安婦=売春婦)を立証する証拠をひとつも提示しておらず、彼が勝手にでっちあげた話もある」と批判した。彼は「何より『慰安婦』は性奴隷制の被害者であったという重大な人権侵害を無視しているというのは致命的」と述べた。吉見教授は、「慰安婦」制度を作る際に軍と政府が深く関与していたことを示す文書を1992年に初めて発見した人物。その後、日本政府が「慰安婦」動員の強制性を認めた「河野談話」(1993年)を発表する際にも影響を与えた。

 日本の近代公娼制度と日本軍「慰安婦」制度を研究してきた小野沢あかね立教大学教授も、ラムザイヤー論文について「学術論文としての要件を満たしていない」と批判した。小野沢教授は「植民地と日本軍の占領地域で『慰安婦』として募集された女性のほとんどは、日本軍または日本軍の指示を受けた業者によって暴力、詐欺、人身売買などの手段により募集されたもの」と強調した。同セミナーには、シンガポール国立大学の茶谷さやか教授、大阪産業大学の藤永壮教授、トロント大学の米山リサ教授らも出席し、ラムザイヤー論文の問題点を指摘した。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/986687.html韓国語原文入力:2021-03-14 16:39
訳D.K

関連記事