東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の「女性蔑視」発言を受け、大会ボランティア約390人と聖火リレーのランナー2人が辞退したという。組織委員会に数千件を超える苦情の電話とメールが殺到するなど、森氏の謝罪後も反発が広がっている。
日本経済新聞は、森氏の発言後、4~8日までに大会ボランティア390人と聖火リレーのランナー2人から参加辞退の連絡があったとし、「電話やメールによる苦情などが約4550件あった」と、8日付で報じた。同紙は「大半は森氏の発言が理由」だと付け加えた。波紋の広がりを受け、組織委員会は理事会と評議議員の合同の会合を12日ごろ開き、対応を協議する方向で調整を行っているという。
森氏の「女性蔑視」発言の波紋は政界にまで広がりをみせている。自民党の二階俊博幹事長が前日の記者会見で、森氏の発言後ボランティアの辞任が相次いでいることに関し、「そうしてもおやめになりたということだったら、また新たなボランティアを募集する、追加するということにならざるを得ない」と述べ、非難を浴びた。橋本聖子五輪担当相は同日の衆院予算委員会に出席し、二階幹事長の発言について「不適切だった」と答弁した。
森氏は3日、オンライン上で開かれた日本オリンピック委員会(JOC)公開会議で、女性理事を増やす問題に触れ、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言し、波紋を呼んだ。森氏は日本だけでなく海外メディアでも批判の声が高まったことを受け、4日に謝罪し、発言を撤回した。