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ハーバードの学生たち、「慰安婦は売春婦」主張のロースクール教授の論文に反論

登録:2021-02-06 04:02 修正:2021-02-06 07:03
「学問の自由を理由として無責任な主張」
ハーバード・ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授//ハンギョレ新聞社

 ハーバード大学の学生たちが、日本軍慰安婦被害者を「売春婦」と規定した論文を発表した同大学ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授の主張に対し「事実関係も不正確で事実を誤導している」と反論する声明を発表した。

 ハーバード大学ロースクールの在学生からなる韓人学生会(KAHLS)、ハーバード・アジア太平洋系米国ロースクール学生会(APALASA)、ハーバード中国系学生会(CLA)、ハーバード法律企業人プロジェクト(HLEP)理事会は4日(現地時間)、共同声明を発表し、ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー三菱日本法律碩座教授が発表した「太平洋戦争における性サービスの契約」と題する論文、および「慰安婦に関する真実の回復」と題する論評は、既存の学問的成果を全く反映できていない、根拠のない主張に過ぎないと批判した。

 同声明は「ラムザイヤー教授が『慰安婦は全くの虚構』との主張を繰り返しているのは、新国粋主義者たちが繰り返しリサイクルしている修正主義的立場」と指摘した。声明は、ラムザイヤー教授が「納得しうるいかなる証拠もなしに、女性に売春を強要したいかなる政府もないと主張する」とし「数十年間の価値ある韓国の学問、1次資料、第3者の報告がこのような主張に反論するが、同氏の主張にはこのようなことに対する言及がなされていない」と指摘した。

 特に学生たちは「日本政府さえも、河野談話の一部で、当時の日本の軍部が直接的、間接的に慰安所の設立と運営に関与したことを認めている」とし「ラムザイヤー教授は、こうした女性たちの証言を拡張しようと試みる学者たちの、歴史的に有用で重要な視点を扱っていない」と指摘した。

 学生たちは「学問の自由は真実を見出す真理の探求の一環として、学問的整合性に対する義務と分離させることはできない」とし、ラムザイヤー教授が学問の自由を理由として無責任な主張を行っていると批判した。

 日本メディアの報道によると、ラムザイヤー教授は3月に発行予定の学術誌「インターナショナル・ロー・アンド・エコノミクス」に、日本軍慰安婦被害を売春の延長線上で解釈する見解を含む論文を載せた。

 「太平洋戦争における性サービスの契約」と題する同論文の抄録によると、「女性は戦場に行くことから短期契約を要求し、業者は女性にインセンティブを与える契約を要求した」と記されている。「業者と女性は(女性が)十分な収益を上げれば早期に去れるようにし、1年または2年単位の巨額の前払い金をつなげた契約を結んだ」とも記されている。

 右派系の産経新聞は最近、この論文を「世界に広まる『慰安婦=性奴隷』説を否定」との見出しを付けて紹介した。ラムザイヤー教授は10代後半まで日本の南部の宮崎県で成長し、経済学や日本法について研究した。2018年には日本政府の勲章である旭日章の一つ「旭日中綬章」を授与されている。ハーバード大学ロースクールでの肩書きは「三菱日本法学教授」だ。戦犯企業の三菱は1972年、東アジア法学研究分野の教授を支援してほしいとして、ハーバード大学ロースクールに100万ドルを寄付している。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/982054.html?_fr=mt1韓国語原文入力:2021-02-05 16:35
訳D.K

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