日本政府が北朝鮮・中国まで攻撃可能な長射程ミサイル(12式地対艦誘導弾)の開発を推進している背景には、米国の中距離ミサイル配備問題も作用しているとの分析が出てきた。米国が中距離ミサイルをアジア地域に配備しようとする動きに対して、日本は「すでに準備しているので必要ない」という論理で対応するという構想だ。
毎日新聞は18日、日本政府が長射程ミサイルを推進しているのは、米国が中距離ミサイルの配備を圧迫してきた場合に交渉ツールとして使おうとする狙いもあると報道した。米国は地上発射型の中距離ミサイル開発に積極的に乗り出している。マーク・エスパー前米国防長官は2019年12月、「中距離ミサイルを開発したら欧州とアジアの同盟国と配備問題を議論する」と明らかにした。日本は、ロシア・中国・北朝鮮を射程圏内に置くことができるアジア地域の米軍基地が有力と見ている。米国が今後日本にミサイル配備を打診してくる可能性があるという観測も出ている。
米国のミサイル配備は、日本にとって大きな負担だ。第一に敵の標的になりかねないうえに、中国は配備した国に対して報復まで警告している。中国政府は「米国の友邦がミサイル配備を容認するならば、可能なすべての対応方案を検討する」と繰り返し警告した。
日本は、米国が配備を要請してきた場合、「その必要はない」と主張できるよう、あらかじめ射程を伸ばしたミサイルの開発を進めておくという計画だ。同紙は、政府関係者の話を引用して「長射程化した12式は、米国が中距離ミサイルの配備を迫ってきた場合の交渉のツールとして大きな力を発揮するはずだ」と伝えた。
だが、米国の圧迫を避けようとする長射程ミサイルの開発に中国が強く反発していて、もう一つの葛藤要素になっている。中国は日本に向けて「専守防衛(攻撃を受けた時にのみ軍事力を行使し、その範囲は最小限とする)の約束を誠実に履行し、行動で平和発展の道を歩むよう願う」との立場も発表した。
日本政府は、現在射程150~200キロメートル程の12式地対艦誘導弾の射程を5年かけて900キロメートル、最終的には1500キロメートルまで伸ばし、さらにレーダー網を避けられるステルス性能も開発する計画だ。日本政府は、「周辺国のミサイル能力が向上する中、相手の射程圏外から攻撃できる装備を持たなければ自衛官の安全を確保できないし、日本を守ることもできない」と見ている。日本製の長射程ミサイルの開発を推進するのは今回が初めてだ。今年だけで予算335億円を投じることにした。