日本の「平和憲法」を支持し、日本帝国主義を批判していた作家であり、歴史小説家の半藤一利氏が死去した。享年90。
共同通信の報道によると、半藤氏は今月12日、東京世田谷区の自宅で老衰で亡くなったという。東京生まれの故人は、東京大学文学部を卒業して文芸春秋社に入社し、週刊誌「週刊文春」と月刊誌「文芸春秋」の編集長と専務取締役を務めた。
1965年、同僚たちと一緒に執筆した『日本のいちばん長い一日 運命の八月十五日』をノンフィクション作家、大宅壮一編として発表した後、本格的な作家の道を歩んだ。日本が太平洋戦争の終結を発表した1945年8月15日正午までの24時間を描いたこの作品は日本でベストセラーとなり、映画化された。
日本近現代史の権威者として認められ、良識ある論客として名を馳せた故人は『昭和史』、『ノモンハンの夏』など多数の著書を残した。『昭和史』は昭和天皇の在位(1926~1989)期間に起きた中日戦争や太平洋戦争、米軍占領、高度経済成長など日本人の視点から激動の日本近現代史を振り返る。故人は同書で、日本を戦争に駆り立てた政官界の人物と軍部の愚かな判断を辛らつに批判した。靖国神社のA級戦犯の合祀に対して批判的な立場を示しており、日本の「平和憲法」守護の先頭に立った。
妻の末利子氏は日本近代文学の開拓者と呼ばれる夏目漱石の孫娘だ。