ロシア74455部隊が平昌開幕式を妨害
東京五輪も対象…ドーピング問題でロシア選手団が参加できないことへの報復
米法務省、ロシア軍情報将校6人を起訴
ロシアが2018年の平昌（ピョンチャン）冬季五輪にサイバー攻撃を仕掛けたと、英国と米国が明らかにした。これと関連して、米国は6人のロシア軍情報将校を起訴した。
英国の国家サイバーセキュリティセンター（NCSC）は19日、「ロシアの情報機関のサイバー部隊が、2018年平昌冬季五輪とパラリンピックのイベントを妨害するためサイバー攻撃を行った」と明らかにした。
同センターは、米国の情報機関とともにロシアのサイバー攻撃の実態を共同調査しており、平昌五輪に対するロシアのサイバー攻撃は、ロシア連邦軍参謀本部情報総局（GRU）の74455部隊によって行われたと発表した。センターは「同部隊が遠隔操作で平昌五輪を妨害したと見られる細部事項に関し、95%の確信を持っている」と説明した。
英国政府によると、74455部隊は北朝鮮と中国のハッカーになりすまし、2018年の平昌五輪の開幕式を狙って、関連ウェブサイトを破壊すると共に、入場チケットを印刷できないようにしたうえ、観客席の広告版Wi-Fiも妨害したという。また、放送局やスキーリゾート、五輪関係者、サービス提供者、後援者なども主なハッキング対象に含まれた。これはロシアの平昌五輪サイバー攻撃が韓国に限らず、五輪イベントと関連した外国機関や個人までハッキング攻撃の対象にしたことを意味する。
ロシア連邦軍参謀本部情報総局はまた、平昌五輪の情報通信システムにデータを削除する悪性コードを埋め込んだ。それだけでなく、今年の夏に開かれる予定だった東京五輪にもサイバー攻撃を加える計画を立てたと、同センターは明らかにした。東京五輪は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で延期された。英国は東京五輪に対するサイバー攻撃と関連し、主要情報を抜き取るフィッシングや偽のウェブサイトの設置、個人セキュリティアカウントの乗っ取りなどで観客や選手、後援者の混乱を引き起こそうとする意図があると推測した。
英国のドミニク・ラーブ外相は「五輪とパラリンピックに対するロシア連邦軍参謀本部情報総局の行動は酷悪で乱暴なもの」だとしたうえで、「最も強い口調で非難する」と述べた。
ロシアに反対する国家機関に加えられたロシアのサイバー攻撃がスポーツイベントに広がったのは、ロシア選手団がドーピング問題などで五輪などから排除されたためだ。
ロシアは2019年12月から4年間、世界ドーピング防止機構(Wada)に全ての国際スポーツイベントへの参加を禁じられた。ロシアのドーピング防止機構が同年1月、捏造したデータを調査官らに手渡した容疑のためだ。ロシアはこの措置を強迫観念だと非難した。
ロシアが2018年の平昌五輪をサイバー攻撃したのは、ロシアのドーピング実態を調査しようとする機関を脅して浸透しようとする彼らの意志を予告したものだと「ガーディアン」が報じた。
米政府は同日、平昌五輪のハッキング攻撃の容疑で6人のロシア軍情報将校を起訴した。「NotPetya」という悪性コードを使って平昌五輪とペンシルベニアのある病院を攻撃した疑いだ。彼らはNotPetya、Olympic Destroyerなどの悪性コードを作り、オリンピック組織委員会やフランスとジョージア政府の官僚をフィッシング攻撃した容疑が持たれている。
米法務省は、NotPetyaによる世界的被害は100億ドルを超え、300カ所以上の被害者がいると見ている。これはハッキング攻撃史上、最も大きな被害だ。
ジョン・デマーズ米司法次官補は、ロシアが自国の五輪チームに対するドーピング調査に対してOlympic Destroyerで報復したのは、「意地悪な子供に国家資源を任せたようなもの」だと比喩した。また「この事件が示しているように、ロシアほど悪意的で無責任なサイバー攻撃を武器化した国はない」とし、その攻撃の対象となった米国の3カ所の被害額が10億ドルに達すると述べた。
訳H.J
