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石破元幹事長けん制のため略式選挙を推進?

登録:2020-08-31 06:36 修正:2020-08-31 07:33
日本の新首相選出方式、明日確定 
党員除き議員中心の選挙が有力 
世論調査でトップの石破元幹事長は少数派 
党三役の岸田政調会長に比べて不利 
石破元幹事長側「民主主義にもとる」と反発
日本の次期首相選挙(自民党総裁選)//ハンギョレ新聞社

 日本の安倍晋三首相が辞任を表明した後、残りの1年間の国政を率いる次期首相を決める選挙方式が来月1日に確定する見通しだ。投票は13~15日ごろと予想されるが、世論調査でトップの石破茂元幹事長に不利な選挙方式が採択される可能性が高く、自民党内部の対立が深まっている。

 自民党総裁選の時期や形式などを一任された二階俊博・自民党幹事長は29日夜、森山裕国会対策委員長に会い、党員投票を省略して国会議員(衆議院、参議院)中心の略式選挙を実施することで意見が一致したと、NHKが30日に報道した。議員内閣制の日本は、政権与党の総裁が首相の座につく。

 自民党の規定によると、総裁は国会議員(394票)と党員(394票)によって選ばれることになっている。ただし、緊急な状況では略式で衆参両院総会で国会議員(394票)と47都道府県の各支部連合会代表(1カ所当たり3票、計141票)が選出できるよう例外を設けている。二階幹事長は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応など、政治的空白を最小化するため、選挙を速やかに実施できる両院総会で方向を固めたという。しかし選挙方式によって「ポスト安倍」候補群の利害関係が食い違っており、派閥の間に対立が生じている。

 世論調査でトップの石破元幹事長は、党員の支持基盤は固いが、少数派閥(石破派19人)の首長であるため、国会議員への影響力が低い。 党員を除いた両院総会方式で選挙を行えば、石破元幹事長に不利にならざるを得ない。一方、岸田文雄政調会長は世論調査で支持率は低いが、「党三役」の一人である上に、派閥も規模があるため(岸田派47人)、国会議員の票を集めやすい立場だ。菅義偉官房長官は派閥に属していないが、彼を支持する国会議員グループが約30人いるうえ、二階幹事長(二階派47人)が支持しており、議員への影響力が高い。

 党内では石田元幹事長をけん制するため、略式選挙を進めているという批判の声もあがっている。安倍首相だけでなく、自民党内の第2位派閥(麻生派54人)を有している麻生太郎副首相兼財務相が、石破元幹事長を好まないと知られている。石破元幹事長は30日、記者団に対し「民主主義にもとるやり方で、総裁を選ぶことはあってはならない」とし、「党員投票を実施すべきだ」と述べた。麻生派所属の河野防衛相も同日「党員の声もしっかり反映して決めることが大事だ」と述べた。若手議員らは「国民と協力して国難を乗り切っていくためのリーダー選びとなる」とし、党員投票の実施を求める署名を来月1日までに党指導部に提出する予定だと、朝日新聞が報じた。

 まだ公式に出馬した候補はいないが、選挙日程の輪郭が明らかになるにつれ、水面下の動きは活発になっている。事実上、出馬の意思を明らかにした候補は、石破元幹事長と岸田政調会長、菅官房長官だ。これまで出馬を重ねて否定してきた菅官房長官は最近、二階幹事長に出馬する意思を伝えたと、共同通信が同日付で報道した。安倍首相が属する党内最大の細田派(98人)は、別途候補を出すかどうかなど選挙方針がまだ決まっていない。

 これらの候補のほかに、河野太郎防衛相や茂木敏充外相なども意欲を示している。選挙方式が決まる1日以降、候補を巡る議論にも弾みがつくものと見られる。一方、共同通信が29~30日、次期首相に誰がふさわしいかを聞く電話世論調査(回答者1050人)を行った結果、石破元幹事長が34.3%で、2位の菅官房長官(14.3%)を大きく引き離した。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/959958.html韓国語原文入力:2020-08-31 02:13
訳H.J

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