在韓米軍の規模を現在の水準で維持することを規定した米国の2021会計年度国防権限法(NDAA)案が、米上院で可決された。しかし、法案自体に例外条項があり、またドナルド・トランプ大統領が法案への署名を拒否する可能性もあるため、同法が両院で可決されたからといって、在韓米軍の規模の維持が必ずしも保障されるわけではない。
ロイター通信などの外国メディアによると、米上院は24日(現地時間)、2021年会計年度の国防総省の予算を約7405億ドルとする上院の国防権限法案を86対14で可決した。国防権限法は、米国防総省の年間予算を決めるために作る法律で、1961年から制定されている。今月21日に下院も同様の内容の下院の国防権限法案を可決している。国防権限法が成立するためには、上下院両院の合同委員会での共同文案化作業と、再度の上下院両院による可決を経て、大統領が署名しなければならない。昨年末に成立した2020会計年度国防権限法にも、在韓米軍の規模を現水準どおり維持するとの内容が含まれている。
上院がまとめた今年の国防権限法案によると、「国防総省は、韓国に駐屯する米軍の規模を(現水準の)2万8500人以下に減らすことを禁止する」という内容が盛り込まれている。ただし、「国防長官が米国の安保利益のために、米国の同盟国の安保を深刻に阻害せず、韓国と日本を含む同盟国と適切に協議したことを証明した場合」は例外とした。
こうした内容の国防権限法案が最終的に確定すれば、トランプ大統領が独断で在韓米軍削減を進めることを議会が牽制する装置として作用しうる。ただし例外条項があるため、政府が在韓米軍削減を強行する余地は残っている。
また、国防権限法案には、南北戦争時に奴隷制度を擁護した南部連合の将軍の名前にちなんだ米軍基地の名称を変更する条項が含まれている。米国では最近、これらの米軍基地の名称は人種差別の暗い歴史を象徴しているとし、変更を求める声が高まっている。しかしトランプ大統領は、南部連合の将軍たちの名前が米軍基地から消えることになるならば、法案に拒否権を行使すると脅しており、法の最終的な成立は容易ではないとの見方が出ている。