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ロマンが新型コロナの恐怖に急変…「水上の隔離所」と化したクルーズ船

登録:2020-02-07 02:22 修正:2020-02-07 10:01
横浜港入港の日本のクルーズ船でまた10人の感染者 
「部屋から一歩も出られない」…薬が尽きたケースも 
ウイルス検査進行中…患者さらなる増加も
6日、神奈川県の横浜港に接岸したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に白と青の布で覆われた下船通路がつながれているのが見える。この船ではこれまでに21人の新型コロナウイルス感染者が発生した=横浜/時事聯合ニュース

 6日午前、神奈川県の横浜港に接岸したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に青と白の布で覆われた下船通路が作られた。通路の先の埠頭には、新型コロナウイルス感染症の確定患者を移送するためのものとみられる白い救急車が待機していた。ダイヤモンド・プリンセスは、旅行を満喫するクルーズ船から、新型コロナ感染症の恐怖が漂う場所へと急変した。

 日本の厚生労働省は6日、ダイヤモンド・プリンセスで発熱や咳などの症状がある人と、彼らと密接に接触した人を検査した結果、乗客10人の感染が追加確認されたと明らかにした。国籍別では日本が4人、米国とカナダがそれぞれ2名、ニュージーランドと台湾がそれぞれ1人だ。前日の5日にも日本3人、中国3人、オーストラリア2人、米国1人の9人の乗客とフィリピン人船員1人が感染の判定を受けた。日本で新型コロナの集団感染が確認されたのはこの時が初めてだった。先月25日に香港で下船し、後に確定判定を受けた香港の80歳の住民も合わせると、このクルーズ船に搭乗した人のうち、6日午前までに21人が確定判定を受けたことになる。乗船者のうち乗客は約2660人、乗組員は約1040人に上る。乗客のうち約1280人が日本人、残りが日本以外の国籍である。韓国人も9人が搭乗している。

 日本政府は当初、無症状の者は下船させて状態を観察する方針だった。しかし感染者が大量に発生すると、病院に移送された患者を除いた乗客乗員全員を5日から2週間にわたって船から降りることができないようにしている。特に、5日に集団感染が初めて明らかになって以降は、乗客が客室からできる限り出られないようにしている。香港住民の確定後も、集団感染が確認された5日までは、乗客が食堂などの共用場所を自由に歩くことができた。このため、初期対応に問題があったという指摘がなされている。

 事実上強制隔離状態となっている中、76歳の男性乗客は5日夕、朝日新聞に「ずっと部屋(客室)の中で妻とテレビを見ている。一歩も出られない」と述べた。持病のため薬を飲み続けなければならない乗客もおり、家族が横浜港まで駆けつけたケースもある。日本政府は食料や水などの供給のため6日朝にこの船を横浜港に接岸させており、各種の薬も供給する予定だ。

 クルーズ船の感染者は今後さらに増える可能性がある。日本政府は乗客と乗員約3700人のうち、最初の確定患者である香港住民と密接に接触した人、発熱や咳などの症状があったり、症状の見られる人と密接に接触した人273人を選び出して、ウイルス検査をしている。検査を終えた人は102人で、残りの171人の検査で感染者はさらに増える可能性がある。

 一方、安倍首相は6日夕方に開かれた新型コロナウイルス対策会議で、乗客のウイルス感染が疑われる別の香港発のクルーズ船に対して、日本入港時に外国人の日本入国を拒否する考えを明らかにした。安倍首相は「香港発のクルーズ船が日本に入港する予定だ」とし「このクルーズ船に乗船した外国人に対しても(出入国管理法に基づいて)特段の事情がない限り入国を拒否する措置を追加する」と述べた。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/927244.html韓国語原文入力:2020-02-06 16:27
訳D.K

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