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愛知県、少女像の展示3日で中止…「韓日の歴史めぐる論議の場が消えた」

登録:2019-08-05 06:20 修正:2019-08-05 10:05
「表現の不自由展・その後」展示実行委員の岡本有佳氏インタビュー 
 
「作家とも相談せず、一方的に中止を通知 
あらゆる対策立てたかも疑問」 
日本ペンクラブの声明「展示続けられるべき」
平和の少女像を製作したキム・ウンソン氏(左)、キム・ソギョン氏(右)夫妻と展示を企画した岡本有佳氏(中央)が7月29日、愛知県名古屋市にある愛知県美術館の前でポーズを取っている。後ろ「あいちトリエンナーレ2019」のポスターが見える=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 「平和の少女像」は結局、最後まで展示されることができなかった。今月1日に始まった少女像の展示は、主催者側である愛知県の一方的な通知で、3日で観客たちと断絶され、「展示中止」と書かれたパネルの中に閉じ込められた。10月14日の展示終了日まで無事に展示されることを切に期待し、展示企画者として参加した岡本有佳氏は4日、ハンギョレとの電話インタビューで、「(韓日の)歴史の議論の場が消えた」として、もどかしさをにじませた。

 3日午後、大村秀章・愛知県知事は、愛知県一帯で開かれている「あいちトリエンナーレ2019」で展示中の少女像が含まれた「表現の不自由展・その後」について、テロの予告など脅迫電話が殺到しているという理由で、展示の中止を発表した。岡本氏を含む芸術展の実行委員らは、「戦後日本最大の検閲事件」だとして、展示の中止を批判する声明を3日に発表した。岡本委員は2015年、東京の私立美術館で開かれた「表現の不自由展」の企画にも参加しており、当時も少女像が展示された。しかし、少女像が日本の公共美術館に完全な姿で展示されるのは、今回が初めてだった。

 岡本委員は同日のインタビューで、「大村愛知県知事が一方的に展示の中止を決定した」とし、「愛知県側はほとんどの作家に展示の中止について何も説明しなかった。展示の中止も口頭で通知しただけで、文書も渡さなかった」と明らかにした。岡本委員は「法的対応も検討している」と反発した。彼女は「愛知県が作家らに展示の中止について直接説明もしなかったのは、国際美術展である『あいちトリエンナーレ2019』の全体イメージにも良くない」とし、「これは作家を軽視したもの」だと強調した。

 彼女は、抗議の電話により職員たちが疲労困憊し、やむを得ず展示を中止させたという大村知事と津田大介芸術監督の説明についても、「納得できない」と話した。「こうした事態が発生しうることは既に予想されており、我々も懸念していた」とし、「愛知県がこれについてあらゆる対策を取ったかは分からない」と話した。彼女は「我々は(展示3カ月前の)5月に関連対策を立てなければならないと(愛知県に)伝えた。愛知県に現場対策を取る余地がなかったかは疑問」だと指摘した。

 わずか3日間の展示だったが、彼女は、少女像の展示が「日本の市民たちに歴史を論議する場となった」と評価した。3日には「表現の不自由展・その後」を見るため、100人あまりが列をなしたという。彼女は特に3日、一部の観客が少女像に紙袋を被せるなど“侮辱”する場面もあったが、「より重要なのは、他の観客がこれを止めたという点」だと評価した。彼女は「他の観客が『歴史をよく見よう』と話したという。感動的な出来事だ」と語った。

 少女像の展示に強い不満を示してきた河村たかし名古屋市長は、3日にも記者団に「(展示を)やめれば済む問題ではない」とし、展示関係者に謝罪を要求したと産経新聞が報道した。同紙は河村市長が、少女像の展示は「『数十万人を強制的に収容した』という韓国側の主張を認めたことになる。日本の主張は明らかに違う」と述べたと報じた。

 「表現の不自由展・その後」の展示が中止されたことを受け、日本と韓国の作家らを中心に激しい反発が起きている。日本の文人たちで構成された「日本ペンクラブ」は3日に声明を発表し、「創作と鑑賞の間に意思を疎通する空間がなければ、芸術の意義は失われ、社会の推進力たる自由な気風も萎縮させてしまう」と指摘した。さらに声明は、「菅義偉官房長官らが(2日)展示への(国家)補助金交付差し止めを示唆するコメントを発している。行政の要人によるこうした発言は政治的圧力そのものであり、憲法21条2項が禁じている『検閲』にもつながるものであることは言うまでもない」と批判した。

 パク・チャンギョン氏やイム・ミンウク氏など、あいちトリエンナーレ本展示に出品したほかの韓国作家らも、抗議の意味を込めて作品の撤収を要求した。パク・チャンギョン氏とイム・ミンウク氏は4日、それぞれハンギョレと行った電話インタビューで、「3日午後、企画展の中止をニュースで聞いて、トリエンナーレ本展示を企画したキュレーターの飯田志保子氏に電子メールを送り、出品を撤回して、作品を撤収する意思を伝えた」と話した。パク氏は「日本の展示中止措置はあまりにも常識に反するもので、我々のような作家が多くなるのではないかと思う」と付け加えた。今年のトリエンナーレの本展示に、イム氏は情報と共同体の範疇について問う内容の映像物「ニュースの終焉」(アデュー・ニュース)を出品しており、パク氏は朝鮮戦争当時、美しい森の中の風景を楽しむ人民軍少年兵の姿を撮った映像物「少年兵」を出品した。

 少女像を製作したキム・ウンソン氏とキム・ソギョン氏夫妻は、検閲に反対する国内外の作家たちと連帯運動に積極的に参加する意思を明らかにしており、日本軍「慰安婦」被害者の写真を「表現の不自由展・その後」に出品した作家のアン・セホン氏は作品の撤去の中断を求めるオンライン署名ページ(http://hoy.kr/kMcnq)を開設した。日本に滞在しているアン氏は4日、作品の無断搬出を防ぐため、日本各地から集まった芸術家や活動家たちと共に、閉鎖された「表現の不自由展」の展示場への進入を試みたことを、自身のフェイスブックに掲載した。

東京/チョ・ギウォン特派員、ノ・ヒョンソク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/904481.html韓国語原文入力:2019-08-04 21:28
訳H.J

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