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金正男氏殺害容疑のベトナム人女性も釈放

登録:2019-05-04 06:25 修正:2019-05-04 07:47
ベトナムのフオン被告、3日に釈放 
先月初め、起訴内容を「殺人」から「傷害」に変更 
2017年2月の暗殺に対する司法判断が終了 
北朝鮮の組織的関与は迷宮入り
北朝鮮の金正恩国務委員長の異母兄弟の金正男氏を殺害した容疑で、有罪判決を受けたベトナム女性ドアン・ティ・フオン氏(30)//ハンギョレ新聞社

 2017年初め、クアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の異母兄弟、金正男(キム・ジョンナム)氏を殺害した容疑で服役中だったベトナム人女性が釈放された。

 朝日新聞やCNNなどの海外メディアは3日、金正男氏を殺害した容疑で収監中だったベトナム女性、ドアン・ティ・フオン氏(30)が同日午前、クアラルンプール周辺の刑務所から釈放されたと報じた。フォン被告の弁護士は「彼女はハノイで家族と会う予定」だと明らかにした。

 フオン氏は2017年2月、北朝鮮の工作要員とされる4人の男性と共謀し、クアラルンプール国際空港で、金正男氏の顔に猛毒性物質のVXをつけて殺害した容疑で、1審で有罪判決を受けて服役中だった。

 マレーシア検察は当初、フオン氏に死刑判決が下される可能性のある殺人罪を適用した。しかし、4月1日「(人を驚かせる)韓国のドッキリ番組に出演すると思っていた」というフオン氏の一貫した供述と、ベトナム政府の要請を受け入れ、軽い処罰が可能な「危険な凶器を使用した傷害罪」に、起訴内容を変更した。マレーシア裁判所は直ちに1審で3年4カ月を言い渡し、フオン氏もこれを受け入れた。

 マレーシア政府はさらに一歩進んで、「フオン氏が服役中に模範的な受刑生活をした」とし、刑を大幅に短縮して同日釈放した。マレーシア政府は3月にも、同事件の被告だったインドネシア人のシティ・アイシャ氏(27)を釈放した。

 フオン氏とアイシャ氏は2017年2月13日、クアラルンプール国際空港で金正男氏の顔にVXを塗って死亡させた。彼女らはその後「北朝鮮の工作員にだまされた」「亡くなった人が金正男であることを知らなかった」とし、無実を主張してきた。

 フオン氏が釈放されたことで、謎だらけの金正男殺害事件に対する司法判断はひとまず終わった。CNNは「フオン氏が釈放されたことで、世界で最も危険な化学兵器で昼間に行われた大胆な暗殺について、殺人罪で起訴される人は誰もいなくなった」と皮肉った。北朝鮮政権の組織的関与の有無など、事件の真相も未解決の課題として残った。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/892523.html韓国語原文入力:2019-05-03 19:18
訳H.J

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