米国政府が、北朝鮮の東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射場再建の動きに対して、約束を破るなと警告した。また、対話の門は開かれていると繰り返し明らかにしつつも、段階的アプローチを否定して、南北経済協力に対する制裁免除は不可という立場を明らかにするなど“ハードル”を高めた。
ドナルド・トランプ大統領は7日(現地時間)、北朝鮮が平安北道鉄山郡(チョルサングン)の東倉里(トンチャンリ)、西海(ソヘ)衛星発射場施設を再建しているという情報に関する記者たちの質問に「(金正恩委員長に)若干失望した」と答えた。彼は前日にはこの問題に「きわめて初期段階の報告」としながらも「(事実ならば)金委員長に大きく失望するだろう」と答えていた。
米国の北朝鮮専門ウェブサイト「38ノース」とシンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)はこの日、東倉里発射場が「正常稼働状態」に戻ったと見られると明らかにした。38ノースは、6日に撮影した衛星写真を根拠に、ハノイ首脳会談(先月27~28日)前に始めた構造物再建作業などで、ミサイル発射台とエンジン試験台が正常稼働可能な状態になったと推定されると明らかにした。
国務部高位関係者はこの日、東倉里発射場を「きわめて綿密に」観察していると話した。彼は言論ブリーフィングで「こうした行動の正確な目的はさらに見守る必要がある」としつつも「トランプ大統領が(昨年6月金委員長との)シンガポール会談で(東倉里発射場解体の)約束を受けただけでなく、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も昨年9月に平壌で同じ約束を受けた」と話した。金委員長が廃棄を約束したと強調して、限度を越すなと要求したのだ。
この関係者は、米国は段階的アプローチを取らないと話した。「ハノイでトランプ大統領が他の人々の段階的アプローチを捨て、ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官の手を上げたのか」という質問に「行政府に段階的アプローチを擁護する人はいない。いかなる場合でも、完全な非核化が別の(相応)措置の条件だ」と話した。トランプ行政府が、ハノイ会談を控えて漸進的アプローチを採用する態度を取ったが、再び“ビッグディール”という形式の一括妥結に傾いていることを示す話と解釈される。
同関係者は、韓国政府の開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光事業の再開推進と関連して「南北経済協力に対する制裁免除を国務省は考慮するか」という質問には「ノー」と答えた。北朝鮮がトランプ大統領の提案を受け入れなければ「圧力は維持され、大統領が決心するならば制裁が強化されうる」とも答えた。
米国政府は、ハノイ会談の合意失敗にもかかわらず、トランプ大統領の最初の任期(2021年1月まで)に完全な非核化は十分に可能だとも話した。この関係者は「最初の任期中に全てが可能なのか」という質問に「私は明確に最終的で完全に検証可能な非核化(FFVD)を言っている」と答えた。さらに「これは核燃料サイクルのすべての主要部品と核分裂物質、核弾頭を除去し、すべての大陸間弾道ミサイル(ICBM)を除去または破壊して、他のすべての大量破壊兵器(WMD)プログラムを永久に凍結すること」と話した。彼は2回目の朝米首脳会談で、トランプ大統領が生物化学兵器プログラムの完全な除去も要求したと話した。
同関係者は一方、「できるだけ早い時期に交渉を継続するための対話の門は開かれている」として、交渉再開の意志を再確認した。トランプ大統領はこの日記者らに、非核化交渉が成功するかは「だいたい1年以内に分かるだろう」と話した。ボルトン補佐官もFOXニュースに出演して「大統領は、対話再開の門を明確に開いている」として「スケジュールをどのように取るか、どのように解決されるか、見守ろう」と話した。