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トランプ大統領再び「究極的には非核化…急ぐ必要はない」

登録:2019-02-21 06:17 修正:2019-02-21 08:09
北朝鮮の非核化に向けた長期的・段階的アプローチの必要性を改めて示唆 
第2回首脳会談前の過度な“期待値”を下げる意図も 
キム・ヒョクチョル、ハノイに到着 
早ければ21日にもビーガンと交渉する見込み 
ロイター通信「ベトナム、金委員長の列車による移動に備えている」 
ベトナムの画家が描いた金正恩北朝鮮国務委員とドナルド・トランプ米大統領の肖像画が20日、ハノイのあるカフェに展示されている=ハノイ/AFP聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が19日(現地時間)、北朝鮮との非核化交渉について「(核・ミサイル)実験がない限り、急ぐ必要はない」と述べた。27~28日にベトナムのハノイで開かれる2回目の朝米首脳会談を控え、非核化-平和体制を段階的に実行していく考えを示すと共に、会談結果に対する期待値を現実化するためと見られる。

 トランプ大統領はホワイトハウスで開かれた宇宙政策命令署名行事の冒頭発言と質疑応答で、朝米首脳会談について長く言及した。「私は究極的に北朝鮮の非核化を見届けたい。究極的にはそれが見られると思っている」とし、「私には緊急なタイムテーブルがない」と述べた。さらに「特に急ぐ必要はない。制裁は維持されており、(北朝鮮との)関係は非常に良好で、多くの望ましいことが起きた」とし、北朝鮮の核・ミサイル実験の中止▽米国人抑留者の帰還▽米軍遺骨の送還を成果に挙げた。

 トランプ大統領は「急ぐ必要はない」という発言を6回も繰り返した。彼は「多くのマスコミは『何をしているんだ。速く、速く、速く』と急かすのが好きだ。(しかし)全く急ぐ必要はない」と強調した。彼は首脳会談で「良いことがたくさん起きるだろう」としながらも、「究極的には」という言葉を付け加えて、「我々は非常に大きな成功を収めるだろう」と述べた。

 これは、朝米対話の最大目標である北朝鮮の非核化を、時間をかけて段階的に協議していく意向を示したものといえる。首脳会談の成果に対する過度な期待値を下げる狙いもあるものと見られる。トランプ大統領は15日の記者会見でも、「先を急ぐ必要はない。我々は(北朝鮮の核・ミサイル)実験を望んでいないだけだ」と述べた。

 トランプ大統領は同日午前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談を行った事実にも触れ、「第2回朝米首脳会談のあらゆる面について話し合った」と述べた。

 こうした中、米国側実務交渉代表のスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表が同日、ハノイに向かって出発したと、国務省が発表した。彼のカウンターパートのキム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表は20日午後、北朝鮮外務省のチェ・ガンイル北米局長職務代行や統一戦線部のキム・ソンヘ統一策略室長と共に、ハノイに到着した。ビーガン代表とキム代表は、早ければ21日から首脳会談の議題についての最終調整に入る予定だ。ロバート・パラディーノ国務省副報道官は「ビーガン代表が残された問題を解決するため、(ハノイに)向かう」とし、「多くのことが協議されている。我々は楽観的で、来週を待ち望んでいる」と述べた。

 一方、ロイター通信はハノイの消息筋の話として、ベトナム政府は金正恩委員長が列車で移動する場合に備えていると報じた。同通信は、金委員長が2日半をかけて、列車で中国を通過した後、25日に中国国境に近いベトナムのドンダンで乗用車に乗り換え、ハノイに移動する案が検討されていると報じた。また、朝米首脳会談の場所は、ハノイの政府迎賓館が有力だと報道した。しかし、現地の消息筋は「金委員長の移動方式や首脳会談の場所が変わる可能性もある」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/882972.html韓国語原文入力:2019-02-20 21:53
訳H.J

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