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議題に上った米軍の遺骨の発掘・送還…追加合意出るか

登録:2019-02-21 06:13 修正:2019-02-21 11:01
第1回会談の共同声明第4項に明記 
今回の第2回会談でも議題に浮上 
公共発掘めぐる合意に進展みられる可能性も 
人材提供の対価として現金支給する案も
北朝鮮の金正恩国務委員長の執事の役割を果たしているキム・チャンソン国務委員会部長一行が今月20日(現地時間)、ベトナム・ハノイのホー・チ・ミン廟を訪れ、周囲を点検している。キム部長一行は入口に10分ほど滞在し、動線をチェックした=ハノイ/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領の2回目の首脳会談でも、朝鮮戦争当時死亡した米軍の遺骨の発掘・送還問題が議題に含まれる見通しだ。ハノイ首脳会談の主要議題ではないが、両首脳が米軍遺骨の発掘・送還に対する具体化した“行動計画”に合意すれば、両国間の意味ある信頼構築の措置になるものとみられる。

 米国の「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)は「朝鮮戦争と冷戦時代の戦争捕虜と行方不明者家族連合会」の関係者が19日(現地時間)、「米国防総省捕虜・行方不明者調査(DPAA)側から、朝米首脳が2回目の会談でも遺骨の送還問題を議題として取り上げるとの回答を得た」と報じた。遺骨の発掘に関する朝米協議の状況に詳しい韓国軍関係者も20日、「(朝米が)シンガポール(首脳会談)以降、将官級会談などを通じて(今後の)遺骨発掘計画について協議してきた」とし、「この結果は朝米首脳会談の結果物として現れるだろう」と見通した。米軍の遺骨の発掘および送還は、第1回朝米首脳会談の合意事項であり、当時採択された共同声明第4項に明示されている。

 両国は昨年7月15日、9年ぶりに将官級会談を開いてこの問題を協議しており、その結果、7月27日に米軍の遺骨55柱が米国に送還された。2カ月後、再び開かれた朝米将官級会談で、米国側は長津湖(チャンジンホ)戦闘と雲山(ウンサン)および清川(チョンチョン)戦闘地域など、米軍の遺骨が多数埋められていると推定される地域で、遺骨の共同発掘を提案した。米軍当局は、咸鏡南道長津湖戦闘地域に米軍遺骨1024柱、平安北道雲山郡(ウンサングン)と清川江(チョンチョンガン)地域に1495柱の約5300柱が北朝鮮に埋葬されていると推定している。スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が先月31日、スタンフォード大学での講演で、「朝鮮戦争中に最も熾烈で被害が大きかった戦場で積極的な遺骨発掘作業を行うための計画を、北朝鮮軍と協議している」と述べただけに、今回の会談後、これらの地域での共同発掘に関する合意が出る可能性がある。

 遺骨の発掘事業は基本的に人道問題で、両国間の信頼構築に向けた措置と見なされる。しかし、発掘過程で人材と装備が持ち込まれ、労働力と資材の提供の対価として北朝鮮に現金が支給される可能性があるため、北朝鮮にとっては“迂回的な相応の措置”になる可能性もあるものと見られる。米国防総省捕虜・行方不明者調査局は「(遺骨の)発掘・送還で発生した費用を精算する権限がある」という立場を示しており、対北朝鮮制裁にも抵触しない。北朝鮮は1990年から昨年まで、米軍と推定される遺骨499柱を米国側に引き渡しており、そのうち349柱の身元が確認された。この過程で、米国が北朝鮮に支払った金額は2200万ドルにのぼる。

キム・ジウン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/882981.html韓国語原文入力:2019-02-20 21:26
訳H.J

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