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東京朝鮮学校の校長「高校無償化除外は『存在』そのものを否定すること」

登録:2018-11-01 10:00 修正:2018-11-01 12:16
「学校の状況が疑わしければ調べに来てほしい」
東京朝鮮中高級学校の慎吉雄校長が25日、東京都北区にある学校の建物の中で話をしている。横断幕は朝鮮学校の高校無償化除外反対闘争を支援する韓国の市民団体からもらったものだ//ハンギョレ新聞社

 「高校無償化の除外は、朝鮮学校の存在そのものを否定することではないか」

 東京朝鮮中高級学校(中学・高校)の慎吉雄(シン・ギルン)校長は、損害賠償請求訴訟の敗訴判決が出た翌日の31日、「日本政府は北朝鮮を攻撃したいから朝鮮学校に対してとんでもない言いがかりをつけている」と苦々しく語った。その前日、東京高等裁判所は、卒業生61人が朝鮮学校を無償化対象から除外したのは違法であり賠償するよう求めて起こした訴訟を棄却した。この日はちょうど韓国の最高裁(大法院)が、強制徴用被害者らが日本企業を相手取って起こした訴訟で原告勝訴を確定させた日だ。

 日本は民主党政権時代の2010年、授業料を国家が負担する高校無償化を始めたが、「北朝鮮問題」を理由に朝鮮学校は対象から外された。同じ「各種学校」に分類される国際学校にも授業料を支援するが、朝鮮学校だけは例外だった。自民党に政権が変わった後の2013年、文部科学省は行政規則を見直し、朝鮮学校を無償化対象から削除した。大阪、名古屋、広島、福岡でも同様の訴訟が起こったが、いずれも朝鮮学校の卒業生が敗訴した。大阪では昨年の1審で卒業生たちが勝訴したが、今年9月に控訴審で覆された。裁判部は「支援金が授業料として使われるのかが確実でない」という理由を挙げた。

 慎校長は「ウリハッキョ(朝鮮学校)も文部科学省に財政状況を報告する義務があり、行っている。疑わしければ文科省が直接調査すれば良い。民主党政権時の2010年に実際に調査が行われ、当時は無償化の適用対象として検討された」と述べた。

 判決を控えた25日に東京北区の学校を訪ねた時、慎校長は校内のあちこちを紹介した。「ときどき朝鮮学校の授業のようすが見たいと突然訪ねてくる人たちがいるが、すべて見せている。隠すことはない」と話した。

 慎校長は、東京朝鮮学校は地方に比べれば事情はましなほうだと説明した。生徒が約520人で、ある程度の規模になるため、多くはないが教師の月給は滞らない程度だと話した。「地方の朝鮮学校は月給が滞る場合も多い」と話した。

25日、東京北区の東京朝鮮中高級学校の様子//ハンギョレ新聞社

 東京朝鮮学校の敷地は日本陸軍の弾薬倉庫があった土地だ。慎校長は1945年に在日本朝鮮人連盟の活動家が地方自治体と交渉して借りた土地だと紹介した。「植民地時代を覚えている日本人たちは、まだ申し訳ないという思いがあったようだが、最近はそうではない。朝鮮学校の無償化除外は、朝鮮学校を後ろ指を指されるような場所として扱うものだ。財政問題もそうだが、このような扱われ方を受け入れることはできない」と話した。彼は朝鮮学校と北朝鮮の関連性を問題視することについては、「朝鮮学校は最初から北と関係があるわけではなかった。南が朝鮮学校に目を向けなかった頃に、北が助けてくれたのでありがたい気持ちがある。こうした歴史を理解してほしい」と語った。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/868218.html韓国語原文入力:2018-10-31 19:57
訳M.C

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