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日本、明治150年…安倍首相、最後まで朝鮮侵略には言及せず

登録:2018-10-24 00:15 修正:2018-10-24 07:21
安倍首相、記念式で「明治維新で日本の独立守った」 
植民地支配・侵略戦争という暗い面には言及せず 
日本国内でも「一方的礼賛は正しくない」批判世論
安倍晋三首相が23日、東京・永田町の憲政記念館で開かれた「明治150年」記念行事に参加し演説している=東京/AP聯合ニュース

 「(明治維新当時)技術が進んでいた列強は植民地支配を進め、その波はアジアにも迫った。独立を守るために当時の人々は、文字どおり命を賭けて情報を収集し、対策を絞り出して勇敢に行動した」

 23日、東京の憲政記念館で開かれた「明治150年」記念式に出席した安倍晋三首相は、明治維新の“光”を精一杯強調した。明治維新は、長州藩(現在の山口県)と薩摩藩(同、鹿児島県)を中心とする地方勢力が江戸幕府を倒し、天皇中心の中央集権国家を作った事件だ。日本政府は1868年10月23日、睦仁天皇が年号を「明治」に変えるとの詔書を発した日を記念して、この日政府レベルの150年記念式を行った。行事には、安倍首相など政界要人350人余りが参加した。

1872年に撮影された公式宮廷服束帯姿の明治天皇//ハンギョレ新聞社

 安倍首相は「明治という時代が生んだ多くの人材が、急速な近代化の原動力になり、わが国は近代国民国家として一歩を踏み出した」として、明治維新による発展の姿を持ち上げた。また、少子高齢化と国際社会の急速な変化など日本の前に置かれた様々な挑戦を数え上げ、現在「国難」に処しているので「明治時代の人々を見習い、いかなる困難にもめげずに未来を切り拓こう」と強調した。

 明治維新は、日本が本格的に近代化を推進する契機を用意した“歴史的事件”だが、韓国や中国など周辺国ではかならずしも美化していない。明治維新を通じて成長した日本が、日清戦争と日露戦争を通じて朝鮮を植民化し、勢いに乗じて中国を侵略したためだ。安倍首相は「若い世代は、今回の機会を通じてしっかりとわが国の近代化の時に起きた事件と光と闇などの色々な側面を貴重な経験として学んで欲しい」と話しただけで、明治維新の“闇”に対しては具体的に述べなかった。

 明治維新賛美に周辺国が不安を感じるまた別の理由は、これを強調する主体が他でもない安倍首相であるからだ。安倍首相は、明治維新の父と呼ばれる吉田松陰を「尊敬する人物」と繰り返し話してきた。吉田松陰は、後世に残した著述集『幽囚録』で、日本が沖縄、朝鮮、台湾、フィリピン、中国を支配しなければならないと主張した。このような侵略的世界観は、その弟子である伊藤博文、山県有朋(“日本陸軍の父”)、寺内正毅(初代朝鮮総督)により継承され、政府の政策として執行された。安倍首相の明治維新賛美は、この時代の“栄光”を強調し、自身の念願の事業である憲法改定に力を吹き込むことが目的という分析もある。

明治維新の志士たち。左から木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通=政府記録写真集5巻//ハンギョレ新聞社

 しかし、日本国内でも明治維新の栄光だけを強調する態度には批判が少なくない。日本共産党は今回の行事に対して「明治維新後150年の前半部は、侵略戦争と植民地支配があった暗い歴史」として「明治以後の時代を一括して祝う行事は肯定できず参加できない」と明らかにした。1968年の維新100年行事には裕仁天皇が参加したが、今年の行事に明仁天皇は来なかった。東京新聞は、21日付の社説で「(明治維新は) “文明開化”という明るい雰囲気もあるが“富国強兵”というスローガンの下、国内外に無数の犠牲者を生んだ時代だ。日本の近代は血みどろの時代であった」と指摘した。23日、東京の衆議院議員会館では、安倍政権の明治150年礼賛行事が侵略を肯定し歴史を歪曲しているとし、これを批判する行事が開かれた。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/867020.html韓国語原文入力:2018-10-23 20:46
訳J.S

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