史上最悪の核災害事故が起きたウクライナのチェルノブイリ原子力発電所が、32年がたち太陽光発電所として生まれ変わった。
ウクライナのエネルギー企業ロディナとドイツのエネルギー企業エナーパーク(Enerparc AG)が合作で建設したこの発電所は、10月5日(現地時間)、現地で公式除幕式を開き世界にこの事実を知らせた。
チェルノブイリ太陽光発電所は、1986年の災害の震源地であった原子炉4号機からわずか100メートル離れたところにある。1万6000平方メートル(4840坪)の敷地の上に3700個余りの太陽電池パネルを設置した。二つの会社が2013年に社会的責任プロジェクトの一環としてコンソーシアムを結成してから5年で作り上げた結実だ。新しい発電所は、原子炉が最後に閉鎖された時から18年が経過した今年の7月1日からウクライナの電力網に電力を供給している。
チェルノブイリの太陽光発電所への変身は避けられない選択だった。2600平方キロメートルに及ぶこの地域は接近禁止区域だ。まだ人間が居住したり農作物を耕作することはできない状況だ。ただ、野生動物たちだけが安全に対する警告や威嚇を受けずに棲息している。
チェルノブイリ太陽光発電所の発電容量は現在1メガワット(MW)だ。かつての原子力発電所当時の発電容量4000MWに較べればとても小さな容量だ。だが、今後はかつてのような災害の心配はしなくても良い。発電所側は、今後100MWまで発電容量を増やす計画だ。
チェルノブイリ核災害は、1986年4月26日ウクライナの首都キエフ市の南130キロメートル地点にあるチェルノブイリ原子力発電所の原子炉4号機で、発電機の実験中に発生した爆発事故で起きた。当時31人が亡くなり、被爆などの原因で1991年までの5年間に7000人余りが亡くなり、70万人余りが治療を受けた。