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日本の文科相、軍国主義象徴する教育勅語に「教育的価値ある」

登録:2018-10-04 06:30 修正:2018-10-04 10:28
柴山昌彦新任文部科学相の発言 
安倍内閣改造の右派的な性格示す 
稲田前防衛相も「核心の価値がある」と過去に発言
今月3日、東京の文部科学省に初出勤をした柴山昌彦新任文部科学相//ハンギョレ新聞社

 柴山昌彦文部科学相が軍国主義教育の象徴である「教育勅語」を教育現場で教えることについて、「検討に値する」と述べた。

 柴山文科相は2日の就任記者会見で「(教育勅語を現代的に)アレンジした形で、例えば道徳などに使うことができる分野は十分にあるという意味では、普遍性を持っている部分が見て取れる」と述べたと、日本のマスコミが3日付で報じた。さらに「同胞を大切にするなどの基本的な内容について、現代的にアレンジして教えていこうという動きがあり、検討に値する」とも話した。柴山文部相は2日の内閣改造で初入閣した人物で、安倍晋三首相が属している自民党内の派閥「清和政策研究会(通称、細田派)」出身だ。3年前には「同性結婚を制度化したときに、少子化に拍車がかかるのではないか」という発言で物議を醸していた人物だ。

 柴山文科相の発言は、安倍政府の右派的な世界観とつながっている。安倍内閣は昨年3月、第二次世界大戦まで日本教育の基本方針だった教育勅語を「我が国の唯一の根本とするような指導を行うのは不適切であると考えているが、憲法や教育基本法などに反しない形で教材として用いることまでは否定されることではない」という内容を閣議決定方式で採択した。当時、日本の野党では「戦前回帰」と批判されたことを受け、安倍内閣は教育勅語を現場で教育することを求めないとして、一歩後退した。

 教育勅語は1890年に明治天皇が国民に説く教えの形で配布された勅語で、子どもたちを自由な個人ではなく、天皇の忠実な臣民として教育する内容を盛り込んでいる。教育勅語には「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」など、天皇のために命まで捧げよという文言まで含まれている。敗戦後の1948年、日本の国会は教育勅語が基本的人権を侵害するとして教育現場から排除して無効にすることを決議したが、安倍政府はこの決議を無力化しようとしている。

 教育勅語を蘇らせようとする動きは、安倍内閣の他の人物の発言にも表れている。自民党首席副幹事長兼党総裁特別補佐として“復活”を果たした稲田朋美前防衛相は昨年3月、国会で「日本は道義国家を目指さなければならない。(教育勅語の)核心的部分については取り戻すべきだと考えている」と述べた。

 一方、2日の内閣改造と党人事では、安倍政府を支えてきた麻生太郎副首相、二階俊博党幹事長、菅義偉官房長官が留任した。改憲案の国会提出の承認権限を持つ党総務会長に側近である加藤勝信元厚生労働相を任命し、不法政治資金授受疑惑で辞任した甘利明元経済再生相を選挙対策委員長に起用した。憲法改正を念頭に置いて親政体制を強化したといえる。2016年に日本軍慰安婦害者に対して「職業としての娼婦だった」と発言した桜田義孝議員が五輪担当相に抜擢されるなど、安倍内閣の右派的色彩はさらに強まった。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/864250.html韓国語原文入力:2018-10-03 15:33
訳H.J

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