日本最大の教育学学会である日本教育学会が軍国主義教育の象徴「教育勅語」を学校教育現場で使用してもいいという安倍晋三政権の決定を真っ向から批判した。
日本教育学会は12日、安倍政府の決定について「歴史的事実を歪曲すること」という内容の報告書を文部科学省に提出した。学会は同日、東京で記者会見を開いて閣議決定として発表した見解を撤回するよう要請した。
教育勅語は1890年明治天皇が国民を教え諭すための勅語として制定したもので、国家のため個人の命まで捧げるように求めた趣旨の内容まで盛り込まれており、第2次世界大戦敗戦後の1948年国会両院合同決議で効力を失った。しかし、今年春大阪森友学院が運営する塚本幼稚園が幼稚園生に教育勅語を朗読させた事件が起きた後、野党議員らが安倍政府に教育勅語について政府の見解を求めた。これに対して安倍政権は閣議決定の形で「憲法と教育基本法に反しない形で、教材として用いることまでは否定されることではない」とした曖昧な表現で、事実上、教育勅語の使用を認めた。
報告書作成を率いた中嶋哲彦名古屋大学教授は記者会見で「(教育勅語の使用許可は)戦後否定された価値観を子どもたちに強要することになる。深く懸念している」と話した。日本教育学会は報告書で、教育勅語には親に孝行することや兄弟は友愛を保つなどの内容があるが、それと共に国家に危急な事が生じた場合は命を捧げようというような内容が述べられていることを指摘した。親孝行や友愛のような部分を強調して教育勅語が普遍的価値があると主張するのは、軍国主義的な内容の本質を歪曲することであるという意味だ。
会員数が約2900人にのぼる日本教育学会は報告書をホームページに公開し、「教育現場で教育勅語を暗唱、掲示、学内放送しないこと」を提案した。