日本海上自衛隊の潜水艦が南シナ海で初めて米国・フィリピン海軍と合同訓練を行った。日本が「戦略資産」である潜水艦まで動員して南シナ海で本格的に中国への牽制に乗り出したかたちだ。
日本の海上自衛隊は17日、報道資料を通じて「インド太平洋方面の派遣部隊とベトナム海軍の親善訪問部隊が13日、南シナ海で対潜水艦戦を想定した訓練を実施した」と明らかにした。海上自衛隊は訓練に参加した戦力をインド太平洋方面の派遣部隊である準空母「かが」(排水量1万9000トン)・「いなづま」・「すずつき」とベトナム海軍親善訪問部隊である潜水艦「くろしお」(2750トン)に区分した。海上自衛隊は先月21日、「かが」など3隻が8月末から二カ月間、インド太平洋地域の国々と合同訓練を実施すると発表したが、「くろしお」の動きは公開されていなかった。
海上自衛隊が極秘扱いした「くろしお」の動きが公開されたのは朝日新聞の報道を通じてだった。同紙は複数の政府関係者の言葉を引用して、「くろしお」が13日に南シナ海のフィリピン付近の公海で対潜合同訓練を行ったと伝えた。他の3隻の艦艇とは別に動いていた「くろしお」は13日、中国とフィリピンの間に領土紛争が進行中のスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近で対潜訓練に合流した。自衛隊艦艇は、米空母ロナルド・レーガン号およびフィリピンの艦艇と共に対潜ヘリなどを動員して相手先の潜水艦を見つける練習などを行った。訓練を終えた「くろしお」は17日、南シナ海に面した軍事的要衝地であるベトナムのカムラン湾に入港した。自衛隊潜水艦のカムラン湾入港も今回が初めてだ。
自衛隊の今回の訓練参加は、南シナ海をめぐる米中の鋭い対立を考慮すれば意味深長な動きと解釈される。米国は2015年、日米防衛協力指針の改正で日米同盟を「グローバル同盟」に強化し、自衛隊が担当することを希望する業務に「南シナ海に対する偵察」を提示してきた。日本の海上自衛隊幹部も朝日新聞のインタビューで、日本政府の南シナ海への潜水艦投入を「一歩、より深く踏み込んだ動き」と話した。
一方、日本政府は、エジプトのシナイ半島で活動する多国籍軍監視団(MFO)に陸上自衛隊の派遣を検討していると東京新聞などが報道した。これが実現すれば、国連が総括しない多国籍軍の活動に自衛隊を初めて派遣することになる。