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前米国務省北朝鮮担当特別代表「ワシントンと平壌に相互連絡事務所設置すべき」

登録:2018-08-17 06:11 修正:2018-08-17 07:37
ワシントンポストへの寄稿で米政府に外交の幅の拡大を提案 
「中国・ベトナムとも連絡事務所通じて大使館設置にまで漕ぎつけた 
北朝鮮とも1994年の朝米枠組み合意によって設置推進した経験あり」 
「一方的非核化要求はきちんと作動しない」
ジョセフ・ユン前米国務省北朝鮮担当特別代表=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 ジョセフ・ユン前米国務省北朝鮮担当特別代表が15日(現地時間)、非核化と関連した朝米の膠着状態を突破する手段として、ワシントンと平壌(ピョンヤン)に「相互連絡事務所」を設置することを提案した。

 ユン前代表は同日、「米国と北朝鮮がいかに失望のサイクルを打ち破ることができるだろうか」という題名のワシントンポストへの寄稿文で、このように主張した。彼は6・12シンガポール朝米首脳会談以降、両者がそれぞれ「段階的・同時的解決策」と「完全かつ即刻的な非核化」を主張して対立する状況に言及し、「危機のサイクル」に陥る結果を避けるため、「米政府は外交的過程の幅を広げなければならない」と指摘した。

 彼は外交過程を広げる最も効果的な方法として、「平壌とワシントンに相互外交連絡事務所を設置すること」を提示した。ユン前代表は相互連絡事務所の設置の効用として、「米国がシンガポール首脳会談の合意の第1項(朝米の新しい関係の樹立)の約束を果たす準備ができているという強いシグナルを送る一方、米国と新たな関係を追求しているという北朝鮮の真摯さを試すチャンスになるだろう」と主張した。

 彼はまた、過去、米国が敵国だった中国、ベトナムと連絡事務所の設置を通じて関係正常化に効果を挙げたことを説明した。彼は「1970年代の北京の連絡事務所と1990年代のハノイの連絡事務所は、制裁解除から行方不明者・戦争捕虜の遺骨発掘、政治・経済・文化的関係の拡大に至るまで、多くの問題を解決するのに貢献した」と述べた。彼は「連絡事務所を常時的に設置し、持続的に対話する機会を設けることで、1979年に北京、1995年にはハノイに公式大使館を開く結果につながった」と付け加えた。

 彼はまた、1994年の朝米枠組み合意で連絡事務所を設置することにし、朝鮮の高官らが連絡事務所の候補地を訪ねるためにワシントンを訪問したことに触れ、「連絡事務所の設置は偏執症的だった隠遁の金正日(キム・ジョンイル)体制では具体化できなかったが、より世界に向けて開かれているその息子の体制では、現実化する可能性がさらに高い」と述べた。

 ユン前代表は「もうトランプ政権が北朝鮮との外交的過程を広げていくため、今一度合意文を読み返さなければならない時」だとし、「シンガポール合意について自主的解釈にこだわるあまり、一方的な非核化要求だけに固執するのは、きちんと作動していない(こと)」と指摘した。彼はまた、「シンガポール首脳会談以降、最大限の圧迫戦略は効力を失った」と述べた。(その背景として)彼は「北朝鮮貿易の90%を占める中国がすでに対北朝鮮関係を正常化したのに続いて、まもなく経済制裁の緩和を要求する見込みであり、韓国も対北朝鮮経済支援や人道支援を再開するための方策を模索している」ことを挙げた。彼は「連絡事務所を相互設置するのは、シンガポールで吹き始めた薫風以降、米国だけが寒地に残されることを防ぐ核心的な処置」だと述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/857844.html韓国語原文入力:2018-08-16 11:47
訳H.J

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