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「集団脱北」主導した柳京レストラン支配人「国情院は私を『英雄』と呼んだ」

登録:2018-08-07 05:57 修正:2018-08-07 07:17
ニューヨークタイムズとのインタビューで脱北過程を説明 
「国情院が19人全員連れてこいと脅迫」 
「脱北直前5人が姿消し2人はレストラン店主に捕まった」
2016年4月、北朝鮮レストラン従業員集団脱北を主導したホ氏がニューヨークタイムズとのインタビューで脱北過程を説明した//ハンギョレ新聞社

 2016年4月、中国浙江省寧波で女性従業員たちを連れて集団脱北したレストラン「柳京」の支配人ホ・ガンイル氏が、ニューヨークタイムズとのインタビューで、韓国に入国した経緯と過程を打ち明けた。この事件が南北関係で敏感な懸案に浮上した状況で報道された米主要マスコミとのインタビューだ。

 ホ氏は5日付で報道されたニューヨークタイムズとのインタビューで、2016年4月総選挙を目前に控えて発生した今回の事件の顛末をもう一度説明した。ホ氏は、知り合いの朝鮮族の男性が「あなたが韓国情報機関関係者(国家情報院要員と推定)と持続的に会っていた事実を北朝鮮に知らせる」と脅迫したのが、脱北を決心した背景だと話した。ホ氏は当時、韓国情報機関の要員に韓国に行かせてくれと頼んだと明らかにした。

 同関係者は4月3日、ホ氏に48時間以内に女性従業員19人全員を連れて脱北することを要求したという。ホ氏は当初それを拒否したが、同要員が脱出の試みを『北朝鮮に知らせる』と脅迫する一方、他の従業員たちを連れてくれば、(その見返りとして)数百万ドルを与えると約束したと話した。

 結局、ホ氏はマレーシアのクアラルンプール行きの飛行機チケット20枚を用意し、4月5日、従業員らに行き先を告げないまま、移動を指示したという。彼はレストランから空港に移動する直前、異常に気づいた従業員5人が逃げ、柳京レストランの中国人社長が車で追撃して、従業員らが乗ったタクシーと追突したため、さらに2人が落後したと明らかにした。

 ホ氏は駐マレーシア韓国大使館に到着してから行先に気付いた従業員らに、「北朝鮮に帰ったら死ぬ」として韓国行きを説得したという。結局、ホ氏と従業員12人は7日午前、韓国に入国した。彼はクアラルンプール行きの飛行機に乗る直前、韓国の情報機関関係者に電話をかけたが、電話機の向こうで「歓声と拍手の音が聞こえ、彼らは私を英雄と呼んだ」と主張した。しかし、ホ氏は韓国情報機関が約束した数百万ドルをもらえず、現在、コンビニの店員と宅配運転手として働いていると話した。これに先立ち、ホ氏は国内外のマスコミインタビューでも似たような説明をした。

 一方、ホ氏の脱北動機や過程について異なる証言をする人もいる。一例として、柳京レストランの中国人社長は2016年末に行ったハンギョレとのインタビューで、ホ氏の脱北動機が「賭博の借金」だと説明した。脱出当日、異常に気付いて逃げた女性5人のうち一部は2016年10月、日本のメディアとのインタビューで「食堂に車を持ってきた人は『国情院チーム長』だった」と証言した。

オク・キウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/856446.html韓国語原文入力:2018-08-06 21:45
訳H.J

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