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ポンペオ長官、6日に訪朝…内部固めた北朝鮮、米国と非核化交渉を再スタート

登録:2018-07-02 06:29 修正:2018-07-02 08:58
極秘訪韓したソン・キム大使、北朝鮮側と2時間ほど会合 
ポンペオ長官の訪朝前に議題を事前調整 
米国、北朝鮮非核化の検証に関心 
北朝鮮、協議の進展には見返りの提示が必要 
合意した場合はミサイル実験場の廃棄が可視化
6月12日、シンガポールでの朝米首脳会談の直前、米国のソン・キム駐フィリピン大使が北朝鮮のチェ・ソンヒ外務副相と議題の協議のため、交渉場に向かっている=シンガポール/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 マイク・ポンペオ米国務長官が6日に北朝鮮を訪問することが分かった。6・12シンガポール朝米首脳会談以降、これといった進展が見られなかった北朝鮮の非核化と朝鮮半島における和平体制構築に向けた交渉が、軌道に乗るかどうかに注目が集まっている。

 北朝鮮と米国の主要当局者たちは1日、板門店(パンムンジョム)チャンネルを再稼動し、ポンペオ長官の訪朝に向けた事前準備協議を開始したものと見られる。朝米首脳会談の実務協議を担当していた米国のソン・キム駐フィリピン大使が極秘訪韓し、同日午前、板門店で2時間ほど北朝鮮側との協議を進めてからソウルに戻ったことが、車両の動きから確認された。ソン・キム大使は先月の朝米首脳会談の準備同様、北朝鮮のチェ・ソンヒ外務副相と会談し、主要議題を調整したものとみられる。朝米首脳会談の後、朝米高官級接触が明らかになったのは初めてであり、今後数日間後続交渉が続く可能性もある。

 ポンペオ長官が今週訪朝する可能性が高いと見られている中、先月29日、NHK放送は「(ポンペオ長官が)6日、平壌(ピョンヤン)を訪問した後、7日に東京に立ち寄る方向で調整している」と報じた。韓国政府関係者も朝米間の後続交渉について、「そろそろ接触がある時期だ」と話した。

6月12日、朝米首脳会談直前に北朝鮮のチェ・ソンヒ外務副相が、米国のソン・キム駐フィリピン大使と議題を調整するため、交渉場に向かっている=シンガポール/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 6・12朝米首脳会談後、3週間近く朝米間の後続交渉の動きが見られなかったことを受け、外交界ではこれまであらゆる憶測が飛び交った。これに対して複数の政府関係者は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が朝米首脳会談に続いて3度目の朝中首脳会談を行った後、北朝鮮内部でも整理と評価を行う必要性があったとし、“朝米間の異常信号説”を一蹴してきた。金委員長が直接署名した「非核化」を具体化し、後続交渉に向けた北朝鮮の立場を整理して準備する時間が必要だということだ。

 実際、金委員長は第3次朝中首脳会談(6月19~20日)から10日後の30日に、現地視察をして公開活動を開始したものとみられる。この期間中、公式的な朝米接触は確認されなかったが、北朝鮮が6月25日を前後にして対米非難を控えたのは、韓米当局への無言の肯定的なシグナルとして受け止められた。

 ポンペオ長官の今回の訪朝で交渉相手がこれまで通り金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長なのか、リ・ヨンホ外務相に変わったかも、重要な関心事だ。

 何よりも今回の接触では、今後の非核化や体制保証など、交渉過程の“方法論”をめぐる議論が中心となるものと見られる。米国の要求事項である非核化と検証、検証の始まりである北朝鮮の核兵器・核物質・核施設の申告に先立ち、双方がいかなるタイムテーブルに従っていかなる見返りを想定し、交渉を続けていくかに関する接点を探すことだ。政府関係者は「米国が非核化を要求すれば、北朝鮮は体制保証を求めるだろう」とし、「(体制保証などについて)北朝鮮の具体的な要求があれば、交渉が始まるが、そうでなければなかなか進展が見られないだろう」と見通した。同関係者は今回の協議で朝米首脳が合意した新たな関係の樹立▽平和体制の構築▽非核化の三つの合意事項がいずれも協議されるだろうと予想した。

 朝米が今回の接触で、方法論に大略的に合意すると、両国の首脳が(朝米首脳会談で)約束した朝鮮戦争当時北朝鮮で死亡した米軍遺骨の発掘・送還と北朝鮮のミサイル・エンジン実験場の廃棄の実行段階に進む可能性がある。

キム・ジウン、ファン・ジュンボム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/851449.html韓国語原文入力:2018-07-01 22:27
訳H.J

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