米民主党が6・12朝米首脳会談を控え、ドナルド・トランプ大統領に「すべての核や生物化学兵器の廃棄」などの5つの条件を満たさなければ、対北朝鮮制裁の緩和に反対すると圧迫している。共和党に劣らない強硬な声を公式化したもので、11月の中間選挙が近づくにつれ、北朝鮮問題が米国内で政治争点化する可能性を予告した。
チャック・シューマー院内代表など民主党上院指導部は4日(現地時間)、トランプ大統領に北朝鮮と合意すべき「5大原則」を盛り込んだ書簡を送り、記者団との電話記者会見を開いた。5大原則は、すべての核・生物化学兵器の解体・放棄▽ウラン・プルトニウムの濃縮・再処理中断や核施設の解体▽弾道ミサイル実験の継続的中止▽核・ミサイル活動抜き打ち査察や不法行為の際は制裁を再試行▽永久的合意保証である。 ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官ら米国政府内の超強硬派が北朝鮮に要求するものとあまり変わらない。
シューマー院内代表は「大統領が金正恩(キム・ジョンウン)と合意のための合意を目指し、我々が提示した原則にそぐわない合意をすれば、彼は再び交渉テーブルだけで最高になってしまう」と話した。
北朝鮮人権問題も朝米合意に含まれるべきだという声も上が上がっている。上院外交委員会のボブ・メネンデス民主党議員は「金正恩政権の嘆かわしい人権現況を無視して、平和・安保・安定に向けた持続可能な長期的な解決策はありえない」と話した。トランプ大統領は去る1日、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長とホワイトハウスで面会した際、記者団に「北朝鮮の人権問題は議論しなかった」とし、「首脳会談では取り上げられるかもしれない」と述べた。
政治専門メディア「ポリティコ」は、民主党議員たちが朝米合意の基準線について憚ることなく発言している反面、共和党議員たちは慎重になっていると指摘した。ジョン・コーニング共和党議員は記者団に「(首脳会談で)何もなければ議員たちが対北朝鮮制裁を取り上げなければならないだろう」としながらも、「今は行政府を応援し、成功的な結果を期待している」と話した。
民主党がこのような強硬な原則を維持した場合、トランプ政権は相当な負担を抱える見通しだ。制裁を解除するには関連法の改正が必要だが、全体100人の単純過半数(51人)ではなく、60人以上の同意が必要だ。上院の議席分布は共和党51人、民主党47人、無所属2人だ。また、マイク・ポンペオ国務長官は、今回の朝米合意の内容を条約の形で上院に提出すると明らかにしており、民主党が同意しなければ、これも採択が難しくなる。
民主党の態度について、38ノースの運営者でスティムソン・センター首席研究員のジョエル・ウィット氏は「民主党が過去の共和党の見解を示している」と指摘した。彼はメディア向けブリーフィングで「成功のための基準とは何かについては、冷静で慎重にならなければならない」とし、「生物化学兵器に関する合意を成功の基準とすると、成功できない。それは直ちに取り上げられないものであるからだ」と話した。ロバート・ガルーチ元国務省北朝鮮核特使も同ブリーフィングで、トランプ大統領が北朝鮮の非核化と関連して「プロセス」という言葉を使ったことについて、「すべてが一気に起きる『ビッグバン理論』から我々を引き離した点で望ましい」と肯定的に評価した。