今月12日にシンガポールで開かれる予定の朝米首脳会談で、北朝鮮代表団の滞在費などの経費が敏感な問題に浮上している。
北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のホテルの宿泊費など代表団の経費を第三国が負担してほしいと要請していると、ワシントンポスト紙が1日付で報道した。
同紙は今回の会談の準備事項に詳しい2人の人物を引用し、北朝鮮側がこのような要求をしており、米国政府はこの経費をシンガポール政府が肩代わりするよう要請する計画だと報じた。米国政府には北朝鮮代表団の経費を出す用意があるが、米国が直接支払った場合、北朝鮮側が侮辱として受け止める恐れがあるため、このような方策を模索しているということだ。
北朝鮮は今回の会談で米国代表団と同等の儀典と待遇を受けることを望んでいるものの、これらに必要な経費を支払う外貨が不足しているため、このような要求をしているものと見られる。北朝鮮側が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の宿泊先として希望しているのは、特級ホテルであるフラトンホテルのプレジデンシャル・スイートルームで、一泊に6千ドル以上だという。
ヘザー・ナウアート米国務省報道官は1日「米国はシンガポールでの朝鮮民主主義人民共和国の経費を負担しない」と強調しながらも、米国が北朝鮮代表団の経費をシンガポール政府が肩代わりするよう要請する役割を果たす可能性は排除しなかった。これまで国務省は同問題に対する言及を拒否してきた。
シンガポールでの朝米首脳会談における北朝鮮代表団の経費負担問題は現在、国連や米国の対北朝鮮制裁に違反する事案であり、米国政府はこの事案に対する制裁の一時的猶予を模索している。
一方、朝米首脳会談の場所としては、リゾート島のセントサーにあるカペラホテルが有力だと同紙は報道した。現在、カペラホテルでは大型行事の開催に必要なテントなど、臨時建造物が設置されている。また、ドナルド・トランプ米大統領は会談中、大型国際行事を着実に誘致し、セキュリティに有利なシャングリラホテルに泊まるものと予想される。