ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、今月開かれる史上初の朝米首脳会談の開催地として、板門店(パンムンジョム)と平壌(ピョンヤン)をめぐり大詰めの交渉を行っているという。
朝米首脳会談の消息に詳しいあるワシントンの消息筋は30日(現地時間)、「米国は現在板門店を、北朝鮮は平壌を会談場所として主張している」と話した。同消息筋は「トランプ大統領が数日前、朝米会談の場所が2カ所に絞られたとは言ったが、その発言が出る2週間前からすでに朝米が板門店と平壌をめぐって協議中だった」と話した。米国のマスコミはこれまでシンガポールとモンゴルなどを有力候補地として取り上げたが、板門店を除いた「第3国」はかなり前から事実上候補リストから除外されていたということだ。
このような中、トランプ大統領は公開的に板門店を推している。同日朝、ツイッターに「平和の家・自由の家が第3国より象徴性があり、重要であり、永続的ではないだろうか? ただ聞いてみただけだ」という書き込みを残した。さらに、ホワイトハウスで開かれナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領との共同記者会見でも、「非武装地帯(DMZ)での会談開催の可能性」に対する質問に「ある人たちはそれを嫌い、ある人は好む。しかし、(そこには)私の好む何かがある。もしうまく行けば、その場所で(首脳会談を開くことは)第3国での開催より非常に記念すべきことになるだろう」と述べた。
しかし、匿名希望のこの消息筋は、トランプ大統領が会談場所として板門店を強く推していることについて「(平壌開催を主張する)北朝鮮に非核化と関連した譲歩をさらに引き出すための交渉戦略」だと分析した。
これと関連し、ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官は29日、「フォックスニュース」に出演し、「金正恩がすべての核兵器計画を放棄する戦略的決断を下したなら、場所や日付を決定するのはかなり容易だと思う」と述べた。トランプ大統領の平壌訪問による米国内の批判を相殺するため、北朝鮮が「非核化の期限や範囲」などと関連して譲歩するなら、平壌開催も受け入れられることを示唆したものと見られる