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平壌?第3国?…金正恩-トランプ会談場所が“最大の難題”に

登録:2018-04-20 23:29 修正:2018-04-21 08:38
朝米首脳会談まで残り一カ月なのに場所未定 
外信「会談場所が最大難関に浮上」 
 
北朝鮮、平壌を選好…米「安全が保障されないので不可」 
板門店は4・27南北首脳会談の場所であり選択しない見込み 
 
“アジアのスイス”を自任するモンゴルも候補地に 
スウェーデン、スイスは北朝鮮と距離が遠い
トランプ大統領と金正恩委員長=グラフィック//ハンギョレ新聞社

 「非核化問題を議論することになり、両者ともよく準備できている。ところで、いったいどこで会うのか?」

 朝米首脳会談まで残りわずか一カ月あまりと迫った中で、ニューヨークタイムズ(NYT)など外信は19日(現地時間)、「会談場所が最大難題に浮上した」と報道した。米国と北朝鮮の現職指導者が最初に対座する“世紀の会談”を、どこで開催するのか未だに決定されないため、会談の日程、儀式、警護問題などが進められずにいるということだ。マイク・ポンペオ米国務長官指名者は、今月初めに北朝鮮を訪問し、会談場所を調整したが合意に至ることができなかったという。

 会談の場所について、北朝鮮が沈黙している状況で、米国のメディアが政府官僚などの話を引用して言及した場所は、平壌、ワシントンを始め板門店、北京、モンゴル、シンガポール、スイスなど10カ所あまりに至る。これらはそれぞれ会談場所に選ばれる理由も明確で、そうはできないもっともな事情も備えている。結局、直接向かい合って座る二人の指導者、特に相対的に移動に裁量の幅が広いトランプ大統領の決断にかかった問題だ。

■平壌・板門店・米国は排除?

実務的に考慮すべき点は大きく二点だ。第一に、ドナルド・トランプ大統領と金正恩国務委員長が共に不都合を感じないだけの外交関係やなじみがなければならない。第二に、金委員長が車両、特別列車、または専用機の「チャムメ(大鷹)1号」で行ける場所でなければならない。

 北朝鮮は、平壌を好んでいると伝えられた。米国大統領が敵性国家の首都を初めて訪問するという象徴性が大きい。板門店も朝鮮半島分断の象徴でありながら安全が統制されているという点で、二人の指導者がそれぞれソウルと平壌をベースキャンプとしての“出退勤会談”が可能だという利点がある。しかし、CNNは「平壌はトランプ大統領の安全問題のために選択肢にならない」と匿名の政府官僚の弁を引用して報道した。また、板門店は南北首脳会談の場所として世界の注目を浴びた後になるので、トランプ大統領が好まないだろうという観測が出ている。1976年の「斧蛮行事件」の舞台という点でも米国が敬遠しうる。

 だが、平壌を完全に排除することはできないという観測もある。キム・ヨンチョル仁済大教授は、ハンギョレとの通話で「サプライズショーを楽しむトランプ大統領のスタイル」を考えれば、平壌開催の可能性があると話した。平壌に決まるならば、金委員長が非核化などでトランプ大統領が満足するに足る“確実なプレゼント”を事前接触を通じて提供したという意味になる。

 ワシントン、グアム、ハワイなどの米国領土は、早くから排除されたと見られる。トランプ大統領は17日、会談場所として5カ所を考慮しているとしながらも「(米国では)ない」と話した。金委員長が米国まで移動するには、政治的負担のみならず、専用機に中間給油をしたり、別の大型機を利用しなければならないという物理的負担が伴う。ジョーンズ・ホプキンス大学韓米研究所のジョエル・ウィット専任研究員は、金委員長の米国訪問の可能性についてニューヨークタイムズに「金委員長が別の飛行機を借りることになるが、それがどのように見えるか」と否定的に話した。

1985年11月、スイスのジュネーブでロナルド・レーガン米大統領とミハイル・ゴルバチョフ・ソ連大統領が首脳会談をしている様子=米大統領図書館資料写真//ハンギョレ新聞社

■第3国の可能性?

 平壌開催を巡って北朝鮮と米国が膠着状態を抜け出せず、第3国に視線を移している。北朝鮮と外交関係がありながらも、金委員長の移動が相対的に容易な中国の北京、モンゴルのウランバートルをはじめ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイなど東南アジア国家も議論される。だが、北京は軋轢が生まれている米中関係を考慮する時に可能性が低いというのが大方の観測だ。

 一部のメディアは排除されたと伝えたが、モンゴルの首都ウランバートルの話も続いている。金委員長が特別列車や専用機で行ける所だ。モンゴルは2012年に非核地帯として認められ、朝米が非核化を議論するにも相応しい。

 スイスやスウェーデンも挙げられている。スイスは永世中立国という象徴性があり、1994年の朝米ジュネーブ合意の舞台でもある。金委員長が学校に通ってなじんだところでもある。また、ジュネーブには国連(UN)欧州本部があり、北朝鮮としては事前準備や警護に関して比較的拒否感が少ないと言える。スウェーデンは、平壌に大使館を置いており、米国の領事業務を代行するなど、北朝鮮と密接な外交関係を結んでいる。だが、ヨーロッパは北朝鮮と距離が遠いという点が障害だ。

ファン・ジュンボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/841441.html韓国語原文入力:2018-04-20 19:53
訳J.S

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