中国が昨年末に発射実験を行った超音速弾道ミサイルは、米国、日本、インドなどを狙っていると中国の専門家たちが主張した。米国との衝突時には、韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)を最優先に打撃する可能性も議論される。
外交専門誌「ディプロマット」が最近報道した中国の「超音速飛行体」(HGV)搭載弾道ミサイル「東風-17」の発射実験と関連して、中国の軍事専門家である宋忠平氏は「超音速飛行体は多様な種類の弾道ミサイルに適用できる」と話したと香港「サウスチャイナ・モーニングポスト」が2日報道した。東風-17は、射程距離1800~2500キロメートルの中距離ミサイルだが、射程距離5500キロメートル以上の大陸間弾道ミサイル(ICBM)にも搭載できるという意味だ。特に、その中でも最小射程距離が1万2000キロメートルに達し、複数の弾頭が標的に向かってそれぞれ飛んで行く多弾頭個別再突入弾道ミサイル(MIRV)機能を備えた東風-41に搭載されれば、全米のどこでも1時間以内に打撃することが可能だと宋忠平氏は分析した。
超音速飛行体技術が注目されるのは、既存のミサイル発射システムに比べて高速で低い高度を飛ぶため、追跡や迎撃が難しいためだ。そのために米国のミサイル防御(MD)に対する挑戦と受け止められもする。ディプロマットは先月29日、米国の消息筋の話を引用して、中国軍が甘粛省の酒泉衛星発射センターで昨年11月、二度にかけて超音速飛行体を搭載した東風-17の発射実験に成功し、2020年までにこれを実戦配備すると見られると伝えた。
軍事専門家の周晨鳴氏は「米国、日本、インドは、中国の超音速飛行体技術開発を憂慮する必要がある。中国が日本の米軍基地やインドの核施設を、さらに早くさらに正確に攻撃できるため」と話した。
中国軍は、超音速飛行体搭載ミサイルを韓国に配備された米国のTHAAD対応に活用するだろうという分析もある。マカオの軍事専門家アンソニー・ウォンドゥン氏は「(米中)両国間に戦争が勃発すれば、超音速飛行体はTHAADレーダーの打撃に使われるだろう」とし「初期段階でTHAADレーダーが機能を失えば、人民解放軍が発射するICBMに対する米国の警報システムを低下させることになり、米国は迎撃時間が不足する事態に陥るだろう」と話した。