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習近平、トランプに2535億ドルの経済協力プレゼント

登録:2017-11-09 22:42 修正:2017-11-10 07:42
米クァルコム、ボーイング、エネルギー企業らが大儲け
8日、習近平中国国家主席と彭麗媛夫人が中国を訪問したドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人を北京の紫禁城で迎え、並んで立っている=北京/AP聯合ニュース

 9日、米中首脳会談の白眉は会談後に続いた各種貿易協約の締結だった。全体規模は2500億ドルを超える。

 ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席は、二者首脳会談および拡大首脳会談の後に企業らの協約締結行事に参加した。二人は壇上に座り、両国の企業家がそれぞれ5人ずつ3回に分かれて出てきて契約書に署名した。中国の鍾山商務部長はこの日の企業家対話に参加して、トランプ大統領訪中期間に両国の経済協力規模が2535億ドルに達するとして、両国経済協力の新記録であり史上類例のないことだと話した。

 中国の国営石油企業である中国石化(Sinopec)は国富ファンドの中国国家投資有限責任公司(CIC)、中国銀行と共に米国アラスカの液化天然ガス(LNG)開発事業に430億ドルを投資することにした。

 中国のスマートフォンメーカーである小米(シャオミ)、OPPO、Vivoの3社は、米国の通信装備企業クァルコムから3年間に120億ドルの部品を買うという共同了解覚書(MOU)を締結することにした。中国の中央銀行である人民銀行傘下にあって、一帯一路事業投資を受け持っているシルクロードファンドは、米国側と共同ファンドを設けることにした。中国国家投資有限責任公司もゴールドマンサックスと共同ファンドを設けることにした。

 トランプ大統領の訪中初日である8日にも、米中両国の企業はエネルギー、化学、農産品、飛行機部品、生命科学、スマート都市建設、環境保護分野などで契約19件を締結した。トランプ大統領一行が北京に到着してからわずか2時間で締結された契約規模は計82億ドルだった。

 こうした莫大な規模の経済協約締結は、貿易不均衡を批判してきたトランプ大統領に中国がもたらしたプレゼントというのが大方の見方だ。習近平主席はこの日、GM、フォード、クライスラーという米国の3大自動車メーカーが中国で製造・販売した車両台数が500万台だとし、これは他国での販売を全部合わせたものより多いと述べた。また、中国の対米投資も急増しているとし、中国が米国に14万の雇用を創り出したと強調した。

 ただし、今回締結された契約の多数が、法的拘束力のない了解覚書(MOU)方式なので、実際に履行されるまでには交渉に数年かかることもありうるなど、中身がないという指摘もある。例えば、中国航空器材集団公司は米ボーイング社の航空機300機370億ドル分を購入することにしたが、その中の新規購買がどれくらいになるかは提示されなかった。ブルームバーグは、米国企業に中国市場をさらに開放したり、中国の金融市場を開放するなど、実質的内容を盛り込んだ契約はなかったと指摘した。

 歴訪の成果を狙うトランプ大統領のために、中国が彼の体面を立てたという話も出ている。匿名の米国の官僚はこうした指摘に、「韓中日の首脳と良い関係を結んだことだけでも、未来の問題を解決できるだろう」と反論した。

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/818371.html 韓国語原文入力:2017-11-09 21:25
訳J.S(1396字)

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