中国対外経済大学外国語学院の徐永彬院長(56)は、同大学の歴史上韓国語学科の教授出身では初めて院長(学部長)になった。しかし、今年の新入生で韓国語学科の志望者が一人もいない現実が、彼の頭を悩ませている。今月14日、徐院長に会って、国交正常化25年を迎える韓中関係に対する“中国人の考え”について尋ねた。
-1992年の国交正常化以前の韓国は中国にとってどのようなイメージだったか?
「これといった認識がなかった。『抗米援朝』戦争(朝鮮戦争)は中国にとっては米国と戦った戦争だった。1983年中国民航機が韓国に不時着した事件があったが、当時中国国際ラジオ(CRI)に勤めていたにも関わらず、それを知らなかったほど、隠された存在だった」
-韓中国交正常化は中国にとってどのような意味だったか?
「鄧小平が改革・開放路線を堅持するという方針を確認した1992年初め、南巡講話が総合的に実行される過程で韓国との国交を正常化した。理念中心から実用・国益中心への方向転換を象徴する外交事件だった」
-25年間、韓中関係に肯定的影響を与えたことは?
「まず、1997~1998年の通貨危機当時、中国が韓国を助けた。韓国は中国の追加的な元貨の切り下げを憂慮していたが、中国は切り下げを行わなかった。これは歴史的に評価されるべきだと思う。韓流も重要な役割を果たした。中国は過去日本や香港ドラマに熱狂したことがあったため、一時的な流行に過ぎないと思う人も多かった。しかし、韓流は20年にわたってドラマや映画、音楽、ゲーム、食品などで幅広い人気を得た」
-韓国に対する中国の若い世代の認識は?
「ネットユーザーたちが激しい舌戦を繰り広げる場合もあるが、それだけではない。韓国に留学した中国の学生らのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への書き込みを見ると、自分の目で韓国を直接見て評価しようとする学生が多い。公正かつ客観的な見方を持った彼らが今後ネット世論を主導していくだろう。韓国にも彼らのような若者が多いと思う」
-韓国語専攻者の推移は?
「学部には韓国語専攻の新入生の定員が20人だが、今年は衝撃的にも志望者が0人だ。初めてのことだ。通常、半分ぐらいが第1志望だったが、今年は、全員第2志望で調整される見通しだ。本校からは韓国語を専門としたものが外交部・商務省に進出したケースが多く、将来は有望な方だ」
-中国を見る韓国の見方についてどう思うか?
「極端だと思う。一方では中国なしには生きていけないとしながらも、他方では中国と対話できないという。もっと現実的かつ客観的に中国を見る必要があった。中国のいいところは認めて、間違った問題は指摘する関係になれば、韓国も中国で尊敬されると思う」