国連安全保障理事会の新しい対北朝鮮制裁決議に賛成票を投じた中国が、今度は米国に向かって北朝鮮との対話を促した。米国は北朝鮮の「ミサイル発射中断」を対話に進むための重要な信号として言及した。
中国の王毅外交部長は6日夕方、アセアン地域安保フォーラム(ARF)が開かれるフィリピンのマニラでレックス・ティラーソン米国務長官に会い、「中国は客観的で公正で責任ある態度で朝鮮半島の核問題を適切に処理するために大きな努力を傾けた」と話した。続けて「むやみに圧迫して制裁することは解決方案にはならない。中国が提案した“双中断”(北朝鮮の核・ミサイル試験と韓米の大規模軍事訓練を同時に中断すること)を真剣に考慮することを望む」と述べたと中国外交部が明らかにした。
これに対してティラーソン長官は7日、記者団に対して「北朝鮮が対話する準備ができていることを示す最上の信号は、このような種類のミサイル(大陸間弾道ミサイル)の発射を中断すること」とし「それは最初であり最も強力な信号になるだろう」と明らかにした。ティラーソン長官はミサイル発射の中断と関連して「(中断の)期間を定めておくようなものではない」として「何日、何週間発射を止めるというような、そんなに簡単な問題ではない」と述べた。彼はまた「正しい条件」が整えば、朝鮮半島の緊張に関連する当事者が北朝鮮と対話できると明らかにしたとロイター通信は伝えた。
ティラーソン長官のこうした発言に照らしてみる時「ミサイル発射の中断」が北朝鮮との対話再開のための「正しい条件」の十分条件ではないと見られる。ただし「ミサイル発射の中断」が対話再開のための最初の措置であり、重要な条件であることは明確にしたと解釈できる。ティラーソン長官の発言は、王毅中国外交部長が北朝鮮との対話再開を促したことに対する一種の肯定的回答である面があり、米国が北朝鮮との対話再開に消極的だという国際社会の批判を遮断するための布石でもあると見られる。ただし、トランプ行政府が「非核化を目標にした交渉」という前提条件を変えたという兆候はなく、依然として対話再開までには朝米間に高強度のつばぜり合いが予想される。
またティラーソン長官は「安保理決議の執行と履行を注意深く見守る」としながら、中国とロシアを迂回的に圧迫した。彼は「北朝鮮が米国に対話の意向を表明することを望むなら、北朝鮮に対して開かれている他の疎通手段が米国にある」と明らかにした。これはいわゆるニューヨークチャンネルや情報機関間のチャンネルを念頭に置いたものと見られる。