セオドア・ポストル米マサチューセッツ工科大(MIT)名誉教授は29日(現地時間)、ハンギョレとのインタビューで、ドナルド・トランプ米大統領が最近高高度防衛ミサイル(THAAD)配備費用を韓国が払わなければならないと主張したことと関連して「米国の同盟に対するきわめて不適切なやり方に驚いた」と批判した。ポストル教授は、米国防総省と国立核研究所、議会、学界で30年以上ミサイル防衛(MD)システムを研究してきたこの分野の著名な専門家だ。
-トランプ大統領がTHAAD配備費用10億ドルを韓国が払うべきだと主張した。
「THAADは韓国に対して防御能力をほとんど、あるいは全く提供できないのに、韓国が10億ドルを払えということは無分別な発言だ。THAAD配備は韓国にとって意味のあるミサイル防御というよりは、概して中国を狙った米国の戦略の産物だからだ」
-米国政府が急いでTHAAD配備を強行した。
「米国がTHAAD配備を急ぐことによって、民主的に選出される韓国の新政府が韓国の安保に及ぼすTHAADの影響に対して適切に決め行動することを難しくさせている点はあまりに明白だ。THAADと関連した米国の政策は、韓国の正当な安保憂慮を考慮していない」
-韓米同盟にも良くない影響を及ぼしかねない。
「昨年10月ソウルを訪問した間に、THAADの防御能力の深刻な限界と韓国に対する中国の報復可能性など、本当に基礎的な情報さえも韓国の政治指導者に説明されなかったという事実が非常に印象的だった。今回も、米国の市民として、米国の同盟に対するきわめて不適切なやり方に驚いている」
-THAADは米国の中国圧迫用という主張を継続してきた。
「バラク・オバマ政権で中央情報局(CIA)局長を務めたマイケル・ヘイデンも2週間前にワシントンのジョーンズホプキンス国際大学院(SAIS)で開かれた懇談会で、米国がTHAAD配備を通じて韓国を中国に対するテコとして使おうとしたという事実を認めた。すなわち、THAAD配備は中国が北朝鮮により攻勢的に対するよう圧迫するために、韓国を“歩”として活用しようとする米国の意図的政策であったということだ。米国はTHAAD問題を誤って扱うことによって、望まない軍事的災難に遭いかねない関連国家の正当な安保憂慮を尊重する必要がある」