ジェームズ・マティス米国防部長官が15日、就任後初めて参加した北大西洋条約機構(NATO)国防長官会議で、加盟国に防衛費の増額を公式的に要求した。
マティス長官は同日、ブリュッセルのNATO本部で開かれた会議で「NATO加盟国は年末までに防衛費を増額しなければならない。そうでなければNATOに対する米国の防衛公約を調整する」として“最後通告”を出した。マティス長官は特に「これ以上米国の納税者が西欧の価値を防衛するため、不均等な分担を続けるわけにはいかない」としたうえで、「皆さんの子供たちの未来の安全保障は、米国人よりもあなたたちの方がきっちり守れるはず」と述べた。彼はさらに、「米国がこの同盟関係に対する公約を調整することを望まないのなら、あなたたちの資本で我々の共通防衛に対する支持を示す必要がある」と強調した。「同盟関係の調整」とは、欧州に駐留中の米軍などの削減を意味するものとみられる。
米国メディアはNATOを「古びた同盟」と批判したドナルド・トランプ大統領に代わってマティスの長官が“最後通告”を出したと分析した。トランプ大統領は大統領選挙期間中、防衛費増額に応じない場合、NATO加盟国でも防御しないと脅したが、就任後にはNATOを支持する立場を表明してきた。これによって米政府とNATOの激しい駆け引きが続くものと予想される。
これと共にトランプ政権が韓国や日本などアジア同盟についても防衛費分担の増額を要請する可能性が高いとみられる。日本の安倍晋三首相は、先日の日米首脳会談で、防衛費分担問題が議題にならなかったとして、「この問題は終わったもの」と述べた。マティスの長官は今月初め、韓国と日本を訪問した際にも、防衛費問題を直接的に取り上げなかった。しかし、ワシントンの外交界ではこの問題が終結していないと見ており、さらに、NATOに向けた防衛費分担要求が次第に可視化すれば、アジアに対しても似たような要求が出る可能性もあると予想している。