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安倍首相、アフリカで中国牽制

登録:2016-08-29 01:30 修正:2016-08-29 07:52
日中対決の場が東・南シナ海を越えアフリカに
安倍晋三(前列中央)首相が今月27日、ケニアの首都ナイロビで開かれたアフリカ開発会議でアフリカ首脳らと記念撮影を行っている=ナイロビ/共同 聯合ニュース

 安倍晋三首相が第6回「アフリカ開発会議」(TICAD6)に出席し、3兆円規模の投資計画を明らかにした。また、アジアとアフリカをつなぐ「自由で開かれた2つの大洋」を力説し、アフリカで影響力を拡大している中国を牽制した。

 安倍首相は27日午前、ケニアの首都ナイロビで開かれたアフリカ開発会議の基調演説で、「2016年から3年間に民間企業の投資を合わせて総額300億ドル(約3兆円)の投資を行う。(これは)アフリカの未来を信じる投資、日本とアフリカが互いに伸びていくための投資」だと強調した。安倍首相はさらに、「日アフリカ官民経済フォーラム」という常設機構をつくり、日本の官僚や経済団体、企業経営者が3年に一度アフリカを訪れて政治・経済的な連帯を強化するという構想も明らかにした。

 今回ケニアで開催された「アフリカ開発会議」は、日本がアフリカの経済成長を支援するため、1993年に設立したものだ。これまでは5年に一度日本で会議を開いてきたが、今回の会議からは開催間隔を3年に短縮し、日本とアフリカで交互に開催することになった。

 この日の演説で最も目をひいたのは、資源開発を掲げてアフリカで影響力を拡大している中国に対する牽制だった。安倍首相は演説の最後に「日本は、太平洋とインド洋、アジアとアフリカの交わりを、力や威圧ではなく、自由と、法の支配、市場経済を重んじる場として育て、豊かにする責任を担っている。両大陸をつなぐ海を、平和な、ルールの支配する海にするため、アフリカの皆様と一緒に働きたい。それが日本の願い」だと述べた。これについて朝日新聞は「安倍首相が力を背景に南シナ海や東シナ海で権益拡大を図る中国の強硬姿勢との対比を念頭に、安倍外交の新戦略『自由で開かれたインド太平洋戦略』を披露した」と分析した。

 実際、アフリカには資源開発に向けた中国企業の進出が続いており、社会全体に中国の影響力が増大している。中国の習近平・国家主席も昨年12月、中国アフリカ協力フォーラムで、今回日本が提示した支援額の2倍の600億ドルの投資を約束した。しかし、短期的利益を求める中国の強圧的な投資方式に対し、アフリカでも反発も高まっている状態だ。特に、今年に入って中国経済が低迷に陥ったことで、中国への鉱物の輸出依存度が高くなっているアフリカ経済も大きな打撃を受けている。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-08-28 16:19

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/758705.html 訳H.J

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