「正直私も驚きました。ホワイトハウスに韓国へのTHAAD配備の撤回を求める署名運動を始めた当初は、10万人達成は難しいだろうと思っていました」
米ホワイトハウスの請願ホームページの「ウィ・ザ・ピープル」に、先月15日から「高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の撤回」を求める署名運動(ページ)を開設した米州同胞全国協会(NAKA)のソ・ヒョクキョ副会長(56)は、10日(現地時間)に行ったハンギョレとの電話インタビューでこのように述べた。「ウィ・ザ・ピープル」では、1件の請願内容に1か月間で10万人以上の署名が集まれば、米国政府が1カ月以内に公式回答をしなければならないことになっている。「10万人」の締め切りは8月14日までだったが、締め切りを4日後に控えた10日に10万人を超えた。
ソ士は「朝鮮半島の状況を懸念し、平和を念願する在米同胞たちとTHAADについて話をしているうちに、ホワイトハウスへの請願を思いついた」としながらも、「アイデアは米国(の同胞)が提供したが、星州(ソンジュ)市民をはじめ、多くの韓国の方々が参加した。それに支えられて10万人を突破したのだから、結局、原動力は韓国で出たもの」と語った。
「10万人達成は難しいと思っていたが、私も驚いた」
10万人超えると、米政府が1カ月以内に公式回答すべき
「サード配備、大国間の軍備競争を触発し朝鮮半島の平和問題をより困難にすると考えた」
「実名で登録してもH.S.というイニシャルで画面に表示」
ソ氏は「今回の請願の結果は、政府が一方的な決定ではなく、慎重な討論と総合的な判断をもとに、THAAD配備を決定しなければならないという民心を示したもの」だと指摘した。「ホワイトハウスの請願に参加するためには、本人の電子メール(アドレス)を入力しなければならず、署名も1人1回に限られる」と説明し、「迷惑メールを防ぐため、いくつかの段階を踏まなければならず、困難とまでは言えないが、それほど簡単でもない。署名に参加した方々はそれほどの誠意を示したもの」だと話した。バラク・オバマ政権が発足してから初めて施行されたホワイトハウスへの請願運動は、初期の段階では5千人以上が署名すれば、米政府が公式回答をすることになっていたが、請願が殺到し、「敷居」が10万人まで高くなった。署名者10万人を達成するのは決して容易なことではない。
ソ氏は請願運動を開設した動機について「THAAD配備は朝鮮半島の平和維持においてあまりプラスにならないだけではなく、むしろ悪化させる可能性が高い処置だと思った」とし、「大国間の軍備競争を触発し、朝鮮半島の平和問題の解決をさらに困難にするかもしれないと考えた。次第に帰らざる橋を渡っていくような気がした」と語った。さらに「私のように移民で来た同胞たちは7.4共同声明や6.15共同宣言、10.4宣言のような民族間の和解の試みや朝鮮半島の非核化に向けた6カ国協議などを通じて、平和が定着することを願っていたが、THAAD配備はそのような流れに逆らうものだと思った」と強調した。
ソ氏は「請願運動が直ちに米国の政策を変化させるわけにはいかないだろうが、韓国の世論を反映しているため、米国政府も政策的な考慮要素のひとつとして考えると思う」と話した。また、ホワイトハウスの請願ページに名前が「H.S.」というイニシャルで出ていることについて、「実名で登録したが、イニシャルで表示されることになっている。請願発議者はすべてイニシャルで表記される」と語って笑った。ソ氏は米州希望連帯など、在米同胞団体らと13日、ホワイトハウスの前でTHAAD反対集会も計画している。
ソ氏は小学生だった1970年代に家族と共に米国に渡った米国市民権保持者だ。1991年のいわゆる「ロサンゼルス暴動」を機に、在米韓国人同胞の権益を保護するために設立した米州同胞全国協会の活動を地道に進めており、米政府と議会に朝鮮半島における平和定着の必要性を知らせる活動も展開している。
韓国語原文入力: 2016-08-11 15:06