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米中、南シナ海めぐり平行線…経済分野では中国が一部譲歩

登録:2016-06-08 03:55 修正:2016-06-08 07:07
米中戦略経済対話閉幕
7日、中国北京で開かれた米中戦略経済対話で、最高経営責任者(CE0)と共に朝食会に出席したジョン・ケリー国務長官(左)が汪洋・副首相(右から2人目)に親指を立てている。朝食会には、ジェイコブ・ルー財務長官(左から2番目)と楊潔チ・外交担当国務委員(右)も参加した=北京/ AFP・聯合ニュース

南シナ海 
中国「航海・飛行の自由の尊重」を宣言 
「主権・領有権」においては双方の主張が平行線 

経済問題 
中国、人民元切り下げ競争の回避を受け入れる 
鉄鋼生産の縮小、ゾンビ企業の処理も

 米国と中国は7日に閉幕した2日間の米中戦略経済対話で、南シナ海問題など主要な争点に対するそれぞれの立場を再確認した。しかし、両国は相手の立場に対する尊重を表明することで、衝突を避けると共に、経済分野では中国が米国側の不満や要求を一部受け入れた。

 米中は、両国関係の悪化の最大の懸案である南シナ海問題では原則的な立場から一歩も退かなかった。南シナ海における航海と飛行の自由を尊重することで認識を共有したが、領有権という根本的な問題では依然として意見の隔たりを示した。

 中国の楊潔チ(チは簾の广を厂に、兼を虎に)外交担当国務委員はこの日、閉幕の記者会見で、「中国は南シナ海での主権を守る権利を保有する」として、南シナ海の領有権の主張を再び強調した。一方、米国のジョン・ケリー国務長官は「米国は南シナ海に対する異なる主張を調整するための交渉を支持する」と述べた。南シナ海の中国の主権と領有権の主張を米国は依然として認めていないことを再確認したのだ。

 一方の楊氏は「中国は航海と飛行の自由に対する国際法を享受するすべての国の権利を尊重し、保護する」と明らかにした。これまで米国が南シナ海問題に介入する名分にしてきた「航海と飛行の自由」の問題を米国と同じように認めると宣言したのは、米国に配慮した中国の譲歩と思われる。米国は、南シナ海における航海と飛行の自由を掲げ、南シナ海の島近海で軍艦と軍用機の起動作戦を行い、中国側の激しい反発を呼んだ。

 楊氏はさらに、紛争は交渉を通じて当事者同士で解決すべきだとして、「中国は、米国が(南シナ海に)関連した領土紛争で特定の国を支持しないという約束を守り、南シナ海における平和と安定の守護に建設的な役割を果たすことを望んでいる」と付け加えた。米国に、南シナ海の紛争で当事者ではなく、第3者として中立的な位置から交渉を仲裁してもらいたいということだ。

 ケリー氏は南シナ海問題から北朝鮮の核問題まで、戦略分野と関連して目立った進展がなかったと指摘し、「私たちは何も合意していない」と対話を通じた意見調整の重要性を強調した。

 経済懸案では、中国が米国の不満に対応する姿勢を見せた。中国側は、米国が要求していた鉄鋼過剰生産の縮小や人民元切り下げ競争の回避、中国「ゾンビ企業」の処理問題などを受け入れた。ジェイコブ・ルー米財務長官は「最近の数日間の努力だけで、私たちの懸念が解決されたわけではないが、実質的な進展があった」と述べた。

 ルー氏は、中国側が競争的な為替レートの引き上げと輸出における競争力を確保するための為替レートの調整はしないという約束を再確認したと述べた。米国は中国への投資障壁の解消と中国国内の外国企業対する規制緩和を重ねて要求した。しかし、中国側は二国間投資協定会談の開催を挙げ、市場開放が進められているとして、米国側の要求を受け入れなかった。中国は、米国が要求していた鉄鋼の生産過剰の縮小を受け入れる一方、不良企業であるゾンビ企業を整理することでも合意したと、ルー氏は述べた。しかし、中国のアルミニウム生産過剰については合意に達しなかった。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-07 20:04

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/747228.html 訳H.J

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