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[ニュース分析]執拗な米国の中国バッシング、貿易の実利追求が背景に

登録:2016-06-06 00:25 修正:2016-06-06 06:36
米中戦略経済対話が開幕 
昨年6月に米国ワシントンの国務省で開かれた米中高位級戦略経済対話の閉幕記者会見でジョン・ケリー国務長官(右)と汪洋・経済担当中国副首相が握手している=資料写真//ハンギョレ新聞社

北朝鮮に対する圧迫でHUAWEI調査など攻勢 
南シナ海のスカボロー礁埋め立て工事めぐり 
「孤立の万里の長城を築いている」と強く非難 

オバマ大統領、任期末に対立をエスカレートさせるより 
両国間投資協定の締結などでの圧迫が狙い

 米国と中国が6日の戦略経済対話を控え、米国が中国に対し攻勢を広げ、中国はこれを防御する様相を呈している。北朝鮮や南シナ海問題など、安保分野における戦略的不信が根本的な原因だが、通商・経済分野で最大限の実益を得ようとする米国の意図が背景にあるものと見られる。

 米国は、中国の弱点となる対北朝鮮制裁の分野で先制攻撃を仕掛けている。ダニエル・ラッセル米国務省次官補は先月31日(現地時間)、「米中が議論すべき問題の一つは、国際的な土台の上で作られた北朝鮮に対する圧力を引き上げ、私たちが望む成果を生み出すこと」だとして、中国への圧迫を予告した。

 この発言の翌日の今月1日、米国は北朝鮮を主要なマネーロンダリング憂慮対象国に指定し、北朝鮮と取引する第3国の金融機関に対する制裁もあり得ると警告した。実質的に中国の金融機関に狙いを定めたものだ。

 さらに2日には、米商務省が中国を代表する電子・通信機器メーカーのファーウェイ(HUAWEI)に対し、北朝鮮を含む制裁対象国に輸出した物品リストの提出を求めたと報じられた。中国の習近平・国家主席と北朝鮮のリ・スヨン労働党中央委員会副委員長の面談などで、北朝鮮との関係回復を模索する中国に強力な牽制球を投げたのだ。中国は、国連の対北朝鮮制裁決議を超えた米国や中国の独自制裁に反対する立場を明らかにしているが、これに対する対応と見られる。

 南シナ海問題を巡っても、両国の激しい舌戦が続いている。カーター米国防長官は4日のシャングリラ対話の演説で、中国が南シナ海で「孤立の万里の長城」を築いていると批判し、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の埋め立て工事を強行する場合、「米国と他の国々が行動に出ることになるだろう」と警告した。これに対抗し、中国人民解放軍の孫建國・副参謀長は「直接関連のない『外部国家』は、口を出すよりも建設的な役割をすべきだ。南シナ海問題は、自国の利益を優先する一部の国の挑発が原因で、過熱な様相を帯びている」と米国を激しく非難した。

 北朝鮮の核問題に対するアプローチや南シナ海問題をめぐり、米中が今にも決死の戦いを始めるかのような舌戦を繰り広げるのは、昨日や今日の話ではない。戦略的に利害関係が一致しないこれらの問題について、短期間で解決策を見つけるのは困難であるからだ。このような状況下にあり、国内の経済状況が良くない中国と、オバマ大統領の退任が迫っている米国が両国関係を極限の対決に追い込む可能性は高くないものと思われる。米国の民間情報会社「ストラトフォー」も「中国が環太平洋合同軍事演習(RIMPAC<リムパック>)訓練にも参加するなど、両国間の軍事的結束が冷戦終結以来、最も強い」と評価した。

 米国の攻勢に、通商・経済分野で中国の譲歩を最大限に引き出そうとする「声東撃西(東に声を発し西を撃つ)」側面あると分析されるのも、そのためだ。米商務省が先月、中国の冷延鋼板に最高522%の反ダンピング関税を課したことや、ファーウェイに対する米国の圧迫も、このような背景から説明できる。米シンクタンクのブルッキングス研究所は「(米中戦略経済対話で)経済議題の観点からすると、最も重要な問題は『二国間投資協定』(BIT)の締結」と指摘した。

 中国の世界貿易機関(WTO)への加盟に匹敵する破壊力をもたらすと期待されている二国間投資協定が締結されれば、中国に対する米国の直接投資の障壁が大幅に低くなり、米国企業がかなりの恩恵を得ることになる。このため、オバマ政権は「任期末の業績」の一つとして、今年中に中国との協定を締結すると意気込んでいる。

 しかし、中国は投資市場の開放をためらっており、消極的な態度で臨んでいる。また、米国は人民元の切り上げ・切り下げ幅を拡大するよう求めているが、輸出を通じて生産過剰を解決しようとする中国は、「為替レートの改革を続ける」原則的な立場にこだわっている。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-05 19:51

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/746921.html 訳H.J

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