「今回の事故は米軍基地があるために起きた犯罪だ。 徹底した再発防止策といった言葉は数十年間に何百回も聞いた」
元米海兵隊員の軍属に沖縄の女性(20)が殺害された事件と関連して23日、安倍晋三首相と向き合った沖縄県の翁長雄志知事は、腹を括ったように怒りの声を上げた。 翁長知事は首相官邸で行われた安倍首相との面談で「県民の生命、財産、安全を守るために(25日に訪日する)オバマ大統領と直接話す機会を作ってほしい」と話した。 安倍首相は「今回の事件はあってはならないことだった。 強い憤りを感じる。 政府は米国政府に強く抗議した」と翁長知事をなだめるほかはなかった。
今回の女性殺害事件で沖縄の怒りは再び高まっている。 過去数十年間、大小の米軍関連事故を体験してきた沖縄の人々は22日、沖縄の米軍基地司令部があるキャンプ瑞慶覧前に集まり抗議集会を始めた。 この日「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」主催で開かれた集会には、1200人余りが参加して「私たちはただ安心してこの土地で暮らしたいだけだ」、「米軍基地は必要ない。米軍は帰れ」と叫んだ。
オバマ大統領の歴史的な広島訪問を前に発生した今回の事件は、2002年の韓国の「ヒョスン・ミソン事件」(議政府米軍装甲車女子中学生轢死事件)のように、米海兵隊普天間基地の辺野古移転などをかかえる米日関係全般を揺るがす渦になると見られる。 2014年12月の翁長知事当選に大きな役割を果した「オール沖縄会議」は、来月19日頃に今回の事件に抗議する県民大会を開くことを決めた。 今回の大会は1995年9月の米兵の少女暴行事件から米軍基地反対運動につながった県民総決起大会(当時8万5000人が参加)レベルに拡大する可能性もあると、日本のメディアは伝えている。